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「科学の知恵 怒りを鎮める うまく謝る」で学ぶ、人間関係を円滑にするための怒りと謝罪のサイエンス

こんにちは。今回は、名古屋大学大学院情報科学研究科准教授で、比較認知科学認知科学実験心理学の専門家である川合伸幸さんの著書「科学の知恵 怒りを鎮める うまく謝る」(講談社現代新書を読んでみました。

この本は、怒りや謝罪といった人間関係において重要な感情や行動について、最新の科学的な知見や実験結果をもとに分析し、そのメカニズムや効果的な対処法を紹介しています。

私は、この本を読んで、自分自身の感情や行動について深く考えるきっかけになりましたし、人と上手に付き合うためのヒントも得られました。

そこで今回は、この本の内容や感想を紹介したいと思います。

この本で学べること


この本では、以下のようなことが学べます。

  • 怒りはなぜ生じるのか?どんな効果や影響があるのか?
  • 謝罪はなぜ必要なのか?どんな効果や影響があるのか?
  • 仕返しや罰はなぜ行われるのか?どんな効果や影響があるのか?
  • 赦しはなぜ行われるのか?どんな効果や影響があるのか?


これらのテーマについて、ヒトだけでなく動物(特に霊長類)とも比較しながら、進化的・生物学的・心理学的・社会的な観点から解説しています。

また、実際に行われた興味深い実験や事例も紹介しており、読んでいて飽きません。

この本で感動した点


私がこの本で特に感動した点は、以下の3つです。

1.怒りは自分だけでなく相手にも影響する


私は、怒りっぽい性格ではありませんが、時々イライラしたりムカついたりすることはあります。

そんなときには、自分の感情を抑え込むよりも吐き出した方がスッキリすると思っていました。

しかし、この本では、怒りは自分だけでなく相手にも影響することを示しています。


例えば、

怒った時には血圧や心拍数が上昇し、ストレスホルモンが分泌される。

これは自分の健康にも悪影響を及ぼす。


怒りは感染する。

怒った人の顔や声を見たり聞いたりすると、相手も怒りや不快感を感じる。

これは赤ちゃんでも同じで、怒り顔に反応することが実験で示されている。


怒りは関係を損なう。

怒った人は相手に謝ってほしいと思うが、謝罪だけでは関係の修復には不十分である。

相手の気持ちや立場を理解し、共感や信頼を築くことが必要である。


これらのことから、怒りは自分の感情を解消するだけでなく、相手にも影響を与えることを意識する必要があると感じました。

2.謝罪は相手の気持ちに寄り添うことが大切


私は、謝罪は自分の非を認めて、相手に許してもらうためのものだと思っていました。

しかし、この本では、謝罪は相手の気持ちに寄り添うことが大切であることを示しています。

例えば、

謝罪には8つの要素がある。

それは、

・自責の念
・責任の自覚
・非難しない
・理由を述べない
・被害者の気持ちを考える
・被害者の立場に立つ
・再発防止策を示す
・具体的な補償をする

である。


謝罪は相手の感情やニーズに応じて変えるべきである。

例えば、相手が怒っている場合は自責の念や責任の自覚を強調し、

相手が悲しんでいる場合は被害者の気持ちや立場に配慮し、

相手が不安になっている場合は再発防止策や補償を提示する。


謝罪は言葉だけでなく態度や行動でも示すべきである。

例えば、

・目を見て話す
・頭を下げる
・握手する
・プレゼントを渡す

などのジェスチャーやアクションが効果的である。


これらのことから、謝罪は自分の非を認めるだけでなく、相手の気持ちに寄り添うことが大切であると感じました。

3.赦しは自分自身のためにもなる


私は、赦しという言葉に抵抗がありました。

なぜなら、赦しというと相手の非を許すという意味に聞こえて、自分が不利益を被ったり弱く見えたりするような気がしていました。

しかし、この本では、赦しは自分自身のためにもなることを示しています。


例えば、

赦しはストレスや心身の不調を軽減する効果がある。

怒りや恨みを持ち続けるとストレスホルモンが分泌されて血圧や心拍数が上昇し、免疫力や記憶力が低下する。

赦しによって心理的な平和や安心感が得られればストレスホルモンが減少し、心身の健康が向上する。


赦しは関係を修復する効果がある。

相手に対する怒りや恨みを解消することで、コミュニケーションや協力が円滑になる。

赦しには相手の非を許すだけでなく、相手の良い面や価値を認めることも含まれる


赦しは自己成長につながる効果がある。

赦しによって自分の感情や行動を客観的に見つめ直すことができる。

赦しは自分の過ちや弱さを受け入れることでもあり、それによって自分を変えたり向上させたりすることができる。


これらのことから、赦しは自分の非を認めるだけでなく、自分自身のためにもなることを感じました。

この本の背景や著者について


この本の著者である川合伸幸さんは、名古屋大学大学院情報科学研究科准教授で、比較認知科学認知科学実験心理学の専門家です。

川合さんは、ヒトだけでなく動物(特に霊長類)の感情や行動についても研究しており、その成果は多数の学術論文や書籍に発表されています。

また、川合さんは、一般向けにも科学的な知識や考え方をわかりやすく伝える活動をしており、テレビやラジオ、雑誌などのメディアにも頻繁に登場しています。

この本は、川合さんがこれまでに行った研究や実験をもとに、怒りや謝罪といった人間関係における重要なテーマについて科学的な視点から解説したものです。

川合さんは、この本のインタビュー記事で、以下のように述べています。


怒りや謝罪は人間関係を円滑にするための重要なツールです。

しかし、それらをうまく使えないと人間関係が悪化したり自分自身が苦しくなったりします。

この本では、怒りや謝罪のメカニズムや効果的な対処法を科学的な知見や実験結果をもとに紹介しています。

読者の皆さんがこの本を読んで、自分自身や他者の感情や行動を理解し、人間関係を改善するヒントにしていただければ幸いです」

この本はこんな人におすすめです


私はこの本を読んで、非常に勉強になりましたし、楽しく読むことができました。


この本は、

  • 自分自身の感情や行動について深く考えたい人
  • 人と上手に付き合うためのコミュニケーションスキルを身につけたい人
  • 科学的な知識や考え方を身近なテーマから学びたい人


におすすめです。

この本は下記リンクから購入できます。

ぜひ一度読んでみてください。