カウンセリングの現場で、クライエントの感情やカウンセラーとの関係をどう扱うかは、重要な課題です。
感情は、人間の心の動きを表すものであり、カウンセラーとの関係は、クライエントに安心感や信頼感を与えるものです。
しかし、感情や関係について話すことは、クライエントにとってもカウンセラーにとっても難しいことが多くあります。
そこでおすすめしたい本が、「あなたのカウンセリングがみるみる変わる! 感情を癒す実践メソッド」です。
この本は、感情理論、愛着理論、トランスフォーマンス理論をベースとするAEDP(加速化体験力動療法)という心理療法の基本と実践を紹介しています。
AEDPは、クライエントの感情やカウンセラーとの関係の「トラッキング(追跡=探索=分析)」にフォーカスすることで、クライエントの自己変容を促進することを目指す心理療法です。
この記事では、この本の内容や感想を紹介し、AEDPのメソッドがどのようにカウンセリングに役立つかを解説します。
また、この本の背景や著者についても触れます。
この記事を読んでいただくことで、あなたは以下のことが得られるでしょう。
- AEDPの基本的な考え方や技法を理解する
- クライエントの感情やカウンセラーとの関係について話す方法を学ぶ
- カウンセリングスキルを高めるためのヒントや参考になる事例を知る
- 自分自身の感情や人間関係についても深く考える機会を得る
AEDPの基本的な考え方
AEDPは、ダイアナ・フォーシャ博士によって開発された心理療法です。
AEDPは、「加速化体験力動療法」という名前からもわかるように、
「体験」
「力動」
「加速化」
の3つの要素が重要です。
「体験」とは、クライエントが自分自身や他者と関わる際に生じる感情や反応や行動などを意味します。
AEDPでは、クライエントが自分自身や他者と関わる際に生じる感情や反応や行動などを意識的に観察し、言語化し、共有することで、自己理解や自己受容を深めることを目指します。
「力動」とは、クライエントが抱える心理的な問題や苦しみの原因や解決の方向性を探ることを意味します。
AEDPでは、クライエントが抱える心理的な問題や苦しみの原因や解決の方向性を探ることで、自己変容の動機や目標を明確にすることを目指します。
「加速化」とは、クライエントが自己変容に向けて積極的に行動することを意味します。
AEDPでは、クライエントが自己変容に向けて積極的に行動することで、自己効力感や自信を高めることを目指します。
AEDPは、これらの3つの要素を組み合わせることで、クライエントの自己変容を促進する心理療法です。
AEDPの実践的な技法
AEDPの実践的な技法として、本書では「瞬間ごとのトラッキング」というものが紹介されています。
「瞬間ごとのトラッキング」とは、カウンセラーがクライエントの感情や反応や行動などを細かく観察し、言語化し、フィードバックすることです。
「瞬間ごとのトラッキング」には、以下のような効果があります。
- クライエントが自分自身や他者と関わる際に生じる感情や反応や行動などを意識的に観察し、言語化し、共有することで、自己理解や自己受容を深める
- カウンセラーがクライエントの感情や反応や行動などに対して共感的に反応し、肯定的に評価し、励ましや支持を示すことで、クライエントに安心感や信頼感を与える
- カウンセラーがクライエントの感情や反応や行動などに対して探究的に質問し、分析し、解釈し、示唆し、導くことで、クライエントに気づきや洞察を促す
- カウンセラーがクライエントの感情や反応や行動などに対して挑戦的に提案し、選択肢を提示し、変化を促すことで、クライエントに行動変容の動機や目標を明確にする
本書では、「瞬間ごとのトラッキング」の方法やポイントが詳しく説明されています。
また、豊富な事例も紹介されており、実際のカウンセリングの様子が生き生きと伝わってきます。
本書から学べる知識やスキル
本書から学べる知識やスキルは以下のようなものです。
- 感情理論、愛着理論、トランスフォーマンス理論という3つの心理学的な理論を知ることができる
- AEDPの基本的な考え方や技法を知ることができる
- クライエントの感情やカウンセラーとの関係について話す方法を知ることができる
- クライエントの自己変容を促進するためのヒントや参考になる事例を知ることができる
- 自分自身の感情や人間関係についても深く考える機会を得ることができる
私は、この本を読んで、自分自身の感情や人間関係についても深く考える機会を得ることができました。
私は、カウンセラーではありませんが、人と関わる仕事をしています。
この本を読んで、自分の感情や反応や行動についても「瞬間ごとのトラッキング」を試してみました。
すると、自分がどう感じているか、どう思っているか、どうしたいかがはっきりとわかるようになりました。
また、相手の感情や反応や行動についても敏感になり、共感や理解を深めることができました。
この本を読んで、自分や他者との関係性をより良くするためのヒントをたくさん得ることができました。