前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその27である。
心理カウンセリング2回目の面談を受けた。認知行動療法の説明の中で「自動思考」という概念について説明があったので、今回の記事で紹介したい。
<目次>
1.「自動思考」とは何か
面談の中で説明があった「自動思考」について解説したい。なお、本記事での説明は、カウンセリングの先生の説明を元に、自分が書籍などで読んだ内容も加え、書いている。
「自動思考」とは普段、遭遇する出来事、各シーンにおいて、意図せず自動的に浮かぶ思考やイメージのことをいう。自動思考は、次々と浮かんでは消えていくものであり、考えている本人はあまり意識することがない。
ただ、その自動思考が引き起こす「感情」「気分」といったものは持続するため、その感情や気分に意識を向けやすい。
「自動思考」は意識せず思考しているため、自分の判断や考え方がプロセス中にあるにもかかわらず、既定の真実のように思い込みやすい。その結果、「気分・感情」に適切でない影響を与えることがある。自動思考には妥当なもの、妥当でないもの、部分的にしか妥当ではないものなどがあるが、自分を苦しめてしまう自動思考には以下のような特徴がある。
(1) 真実ではない。(客観的反証があるにもかかわらず、その考えが浮かんでしまう)
(2) 真実であるが、そこから導き出す結論が妥当とは言えない。
(3)妥当な考えであるが、それを過度に重視することや考え続けることが有用ではない。
2.自動思考の例
例えば、「二分割思考」といい、物事を極端に「白か黒か」に分けるような考え方がある。
ちょっとしたミスで「自分はダメだ」と否定してしまうような思考である。
他に「べき思考」や「過度の一般化」など、十数種類ほどの典型的な考え方が紹介されている。これらは、インターネットで「自動思考」で検索すれば解説されているページもあるので、ここで説明するのは割愛する。 われわれは、日常的に十分に判断するプロセスを行うことなく、ある程度型にはまった考え方によりモノの見方を決めていると言える。問題なのは、考え方に自分にとってネガティブな傾向があると知らず知らずに自分を責めてしまう点である。
3.自動思考が妥当なものかを検証
普段は意識せず考えている「自動思考」について、正しいものなのか、妥当なのかという点検を行う。その点検により、違ったものの見方もあるのではないかと自問できる。
「失敗した自分は価値がない」といったネガティブな結論を出した考え方について、プロセスを検証し、角度を変えて思考することで自分にプラスになるような捉え方ができるのではないか。この見直し点検をするワークシートが用意されているので、書き込むことによって、考え方を振り返ることができる。慣れない段階で、自分一人で進めていくのは難しいので、カウンセラーの助言を得ながら作業を進めるのがよいだろう。
次回記事にて、カウンセリングで実際行ったワーク例を紹介したい。
(「実録 心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)