こんにちは。このブログでは、私が読んだ本の感想やおすすめを紹介しています。
今回は、社会学者の朴沙羅さんが書いた『ヘルシンキ 生活の練習』という本についてお話ししたいと思います。
この本は、朴さんが2020年に2人の子どもと一緒にフィンランドのヘルシンキに移住したときの体験を綴ったエッセイです。
フィンランドの教育や社会、文化に触れながら、日本との違いや自分のルーツについて考える朴さんの姿がリアルに描かれています。
私はこの本を読んで、フィンランドの生活に興味を持ちました。
特に、教育に関する部分が印象的でした。フィンランドでは、人格や才能ではなく、スキルを評価するそうです。
スキルとは、思いやりや根気や好奇心や感受性など、人間として大切なことを徹底的に「練習」できる「技術」と考えるそうです。
例えば、本書の中で朴さんが紹介しているエピソードの一つに、子どもたちが怒りの感情を抑えこむのではなく、それを言語化し相手に伝える練習をするというものがあります。
これは、自分の感情をコントロールするスキルであり、人とコミュニケーションをとるスキルでもあるということです。
私は、日本では性格や人柄として捉えられがちなものが、フィンランドではスキルとして捉えられるということに驚きました。
そして、スキルという言葉には、練習すれば上達するという可能性や希望が含まれていると感じました。
自分が苦手だと思っていることも、スキルとして練習すれば、改善できるかもしれないと思うと、気が楽になりました。
私は、この本を読んで、自分のスキルを磨くことにもっと積極的になろうと思いました。
本書の背景や著者についても触れておきたいと思います。
朴さんは、日本と韓国のハーフで、京都で生まれ育ちました。
日本での暮らしでは、同調圧力や在日コリアンとしての差別に悩まされてきました。
そのため、フィンランドに移住することで、自分のアイデンティティやルーツについても考え直すことになりました。
本書では、朴さんが日本とフィンランド、そして韓国との関係をどのように捉えているのか、率直に語っています。
朴さんは、自分のルーツを否定せずに、自分の居場所を見つけることができたのだと思います。
この本は、フィンランドの生活や教育に興味がある人はもちろん、自分のルーツやアイデンティティについて考えたい人にもおすすめです。
この本を読むことで、自分のスキルや価値観についても見直すきっかけになるかもしれません。
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