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スマホ時代に必要な哲学とは?孤独と趣味の価値を再発見する本「スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険」

こんにちは。このブログでは、私が読んだ本の感想やおすすめを紹介しています。今回は、新進気鋭の哲学者・谷川嘉浩さんの著書「スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険」について書きたいと思います。

この本は、スマホSNSなどのデジタルメディアが私たちの生活や心理に与える影響について、哲学的な視点から考察しています。

著者は、常時接続の世界で失われがちな「孤独」の価値や必要性を説き、孤独を確保するための「趣味」という概念を提案しています。

趣味とは、一般的な意味での趣味ではなく、「謎との対話」と定義されるもので、創造や解釈の過程で不確実性や矛盾に耐える能力を育むものです。

この能力は、著者がネガティブ・ケイパビリティ」と呼ぶもので、私たちが自分自身や他者、世界と向き合う上で重要なものだと主張しています。


この本の魅力は、哲学の入門書としてだけでなく、現代社会の問題や自己啓発のヒントとしても読めるところです。

著者は、哲学の歴史や思想家の紹介だけでなく、エヴァンゲリオンやドライブ・マイ・カーなどのポップカルチャーの作品も参照しながら、わかりやすく楽しく語っています。

また、各章の末には、より深く学びたい人のためのコラムも用意されており、哲学の知識やスキルを身につけることができます。


私がこの本を読んで感動した点や、役に立った点をいくつか紹介します。


スマホSNSの使い方について、自分の癖や問題点を見つめ直すきっかけになりました。

著者は、スマホSNSは悪いものではなく、使い方次第で有益なものになると言っていますが、常時接続の状態になると、自分の時間や空間、感情や思考が奪われてしまうとも指摘しています。

私も、スマホSNSを使っているときに、本当に必要なことややりたいことを忘れてしまったり、他人と比べて落ち込んだり、刺激に飽きて退屈になったりすることがありました。

この本を読んで、スマホSNSの使い方を見直し、自分の時間や空間、感情や思考を大切にすることを意識するようになりました。


趣味という概念について、新しい視点を得ることができました。

著者は、趣味とは、自分の好きなことや楽しいことだけでなく、謎や疑問、不確実性とともにあることができることだと言っています。

趣味を通じて、自分の感性や想像力を磨き、世界に対する関心や好奇心を持ち続けることができるというのです。

私も、趣味として読書や映画鑑賞、ゲームなどを楽しんでいますが、この本を読んで、それらの作品に含まれる謎や疑問、不確実性にもっと注意を向けて、自分なりの解釈や創造を試みることができるようになりました。

趣味は、自分の内面と外界との対話であり、孤独と共存できるものだと感じました。


ネガティブ・ケイパビリティという能力について、興味深く学ぶことができました。

著者は、ネガティブ・ケイパビリティとは、不確実性や矛盾に耐える能力であり、創造や解釈の過程で必要なものだと言っています。

この能力は、詩人のキーツが提唱したもので、哲学や芸術だけでなく、科学やビジネスなどの分野でも重要なものだというのです。

私も、この本を読んで、自分の仕事や生活において、ネガティブ・ケイパビリティを発揮できるようになりたいと思いました。

すべてを理解しようとせず、謎や疑問、不確実性とともにあることができると、新しい発見や可能性が見えてくるのではないでしょうか。


この本の背景や著者についても触れておきたいと思います。

この本は、著者の谷川嘉浩さんが、京都大学人間環境学研究科の准教授として教える傍ら、ウェブメディアや雑誌などで執筆活動を行っている中で生まれたものです。

谷川さんは、哲学の博士号を持ち、哲学・心理学・政治学社会学大衆社会論・消費社会論など、多領域にまたがって活動する知識人です。

特に、アメリカの哲学者であるジョン・デューイの思想に詳しく、その研究成果は『信仰と想像力の哲学:ジョン・デューイアメリカ哲学の系譜』として出版されています。

谷川さんは、哲学の知識やスキルを活かして、メディア論やゲーム研究、教育学、文化社会学などの分野でも論文や書籍を発表しており、幅広い視野と洞察力を持っています。

また、ビジネスの個人受託も行っており、コンサルテーションやコンセプトメイキング、ライティング、研修・講演、リサーチ、ヒアリングなどのサービスを提供しています。

谷川さんは、自分の研究スタイルを「やれることは何でもやる」と表現しており、常に新しい知識やスキルを身につけています。


この本は、谷川さんの豊富な知識と経験、そして哲学的な探究心が詰まった一冊です。

スマホ時代の哲学というタイトルにふさわしく、現代社会の課題や可能性について、深く考えることができます。

この本を読むことで、自分の生き方や趣味のあり方、スマホSNSの使い方などについて、新しい視点やヒントを得ることができるでしょう。

この本は、哲学に興味のある人はもちろん、そうでない人にもおすすめです。この本は、下記リンクから購入できます。ぜひ、読んでみてください。