あなたは、フィードバックという言葉にどんなイメージを持っていますか?
上司から部下に対する厳しい指摘や批判、自分の弱点や失敗を暴かれる恐怖、相手の気分を害したり関係を悪化させたりするリスクなど、ネガティブな印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、本書『みんなのフィードバック大全』 の著者である三村真宗氏は、フィードバックを「自分も相手も成長させる最強のコミュニケーションスキル」と位置づけています。
三村氏は、SAPジャパンやマッキンゼーなどで活躍した後、現在は「働きがいのある会社」ランキングで6年連続1位を獲得するコンカー社 の代表取締役社長として、フィードバック文化の確立に尽力しています。
本書では、フィードバックとは「相手に対して自分が感じたことや考えたことを伝えること」であり、「上司から部下へ」「部下から上司へ」「同僚や部門同士」「ネガティブなことだけでなくポジティブなことも」伝えることが重要であることを説いています。
また、フィードバックには3つのスキルが必要であることを示しています。それは、
・スキル1: 同僚・後輩を勇気づけて相互に成長できる「ポジティブフィードバック」
・スキル2: 手強い上司や同僚の問題行動変える「ギャップフィードバック」
・スキル3: 上司からの耳の痛い指摘を前向きに受け止める「コーチャビリティ」
です。本書では、これらのスキルを具体的な事例やセルフチェック・エクササイズを通して体系的に学ぶことができます。
本書の魅力とは何か
本書の魅力は、以下の5つの点に集約されます。
1. フィードバックがビジネスパフォーマンスや組織文化に与える影響を科学的に裏付けたデータや研究が豊富に紹介されていること。
例えば、ポジティブフィードバックが従業員の生産性や創造性、エンゲージメント を高めることや、ギャップフィードバックが問題行動の改善率を約80%まで引き上げることなどが示されています。
2. フィードバックスキルを実践する際に役立つ具体的なテクニックやツールが満載されていること。
例えば、ポジティブフィードバックをするときには
「具体的に」
「すぐに」
「頻繁に」
「感謝の気持ちを込めて」
伝えることや、
ギャップフィードバックをするときには
「事実と感情を分けて」
「相手の意図や目的を確認して」
「改善策やサポートを提案して」
伝えることなどが紹介されています。
3. フィードバックを受ける側の心理や感情にも配慮した優しいアプローチが採用されていること。
例えば、コーチャビリティを身につけるためには、
「フィードバックを求める」
「フィードバックを聞く」
「フィードバックに感謝する」
「フィードバックを活用する」
の4つのステップを踏むことや、
フィードバックを受けたときには
「自分を責めない」
「感情をコントロールする」
「ポジティブな側面も見る」
などのコツが紹介されています。
4. フィードバックスキルだけでなく、コミュニケーションスキル全般にも応用できる普遍的な原則や考え方が提示されていること。
例えば、
「相手の立場に立って考える」
「相手のニーズや期待に応える」
「相手の感情や反応に寄り添う」
などのコミュニケーションの基本姿勢や、
「聞く力」「話す力」「書く力」の3つのスキルの重要性や向上方法などが説かれています。
5. フィードバック文化を経営戦略として位置づけ、実際に成功させたコンカー社の事例が詳細に紹介されていること。
コンカー社では、フィードバックを「社員同士が互いに成長させ合う仕組み」と捉え、組織全体でフィードバックをし合う習慣を根付かせています。
そのために、社長自らが率先してフィードバックを行ったり、社員にフィードバックトレーニングを受けさせたり、フィードバックアプリ を導入したりしています。
その結果、社員の満足度やモチベーションが高まり、業績も好調に推移しています。
本書から学んだことや感じたこと
本書を読んで私が学んだことや感じたことは、以下の3つです。
1. フィードバックは自分の成長だけでなく、相手の成長や組織の成長にも貢献できる素晴らしいスキルであるということ。
私は以前、フィードバックは自分の弱点や失敗を指摘される嫌なものだと思っていました。
しかし、本書を読んで、フィードバックは自分の改善点や強みを知る機会であり、相手に対しても感謝や尊敬の気持ちを伝えたり、問題解決や目標達成のサポートをしたりできる素晴らしいスキルだと気づきました。
また、フィードバックは組織のパフォーマンスや文化にも大きな影響を与えることが分かりました。
フィードバックが活発に行われる組織では、社員のモチベーションやエンゲージメントが高まり、創造性や生産性も向上することがデータや事例で示されていました。
2. フィードバックをするときには、相手の立場に立って考えることが重要であるということ。
私は以前、フィードバックをするときには自分の意見や感想を正直に伝えればいいと思っていました。
しかし、本書を読んで、フィードバックをするときには相手の立場に立って考えることが重要だと気づきました。
相手の立場に立って考えるということは、相手のニーズや期待に応えることや、相手の感情や反応に寄り添うことです。
例えば、ポジティブフィードバックをするときには、
相手がどんなことに喜びや誇りを感じるかを考えて伝えることや、
ギャップフィードバックをするときには、
相手がどんなことに不安や抵抗を感じるか
を考えて伝えることです。
このようにして、相手にフィードバックが受け入れやすくなります。
3. フィードバックを受けるときには、自分の成長のために前向きに捉えることが重要であるということ。
私は以前、フィードバックを受けるときには自分の能力や価値が否定されているように感じて落ち込んだり怒ったりしていました。
しかし、本書を読んで、フィードバックを受けるときには自分の成長のために前向きに捉えることが重要だと気づきました。
前向きに捉えるということは、フィードバックを求めたり感謝したり活用したりすることです。
例えば、フィードバックを求めることで
自分の弱点や改善点を知ることができたり、
フィードバックに感謝することで相手の関心や期待を感じたり、
フィードバックを活用することで自分のスキルや行動を改善したりできます。
このようにして、フィードバックを受けることは自分の成長のチャンスだと思うようになります。
まとめ
本書『みんなのフィードバック大全』は、フィードバックを自分も相手も成長させる最強のコミュニケーションスキルとして紹介しています。
本書では、フィードバックに必要な3つのスキル
・ポジティブフィードバック
・ギャップフィードバック
・コーチャビリティ)
を具体的な事例やテクニックを交えて学ぶことができます。
また、フィードバックがビジネスパフォーマンスや組織文化に与える影響や、フィードバック文化を実現したコンカー社の事例も紹介されています。
この本は、フィードバックをすることや受けることに苦手意識を持っている人や、フィードバックをもっと効果的に行いたい人におすすめです。
この本を読んで、フィードバックスキルを身につけて、自分も相手も成長するコミュニケーションを実践してみましょう。
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