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ハヤカワミステリマガジン「ミステリが読みたい 20201」ランキングを紹介

ハヤカワ ミステリマガジンで年に1回「ミステリが読みたい」特集がある。

ミステリマガジン 2020年 01 月号 [雑誌]


この特集はミステリ小説で面白いものを探す際に参考になる。
同雑誌2020年1月号で紹介された国内、海外のミステリ小説ベスト10ランキングとその他おすすめの書籍を紹介していきたい。

1.ミステリ小説の魅力について

ミステリ小説と一口に言っても多様なジャンルがある。本格推理小説と言われる謎解きをメインにしたものから、犯罪者の心理や行動を描写したノワールものなど、様々である。
私は謎解きがメインとなっているものより、登場人物の心理に密着したものや、舞台となっている社会情勢、時代背景などがうまく描かれているものに惹かれる。自分の日常生活では起こりえないような出来事を、生き生きとした筆致で描いた小説を読むことで疑似体験を楽しんでいるのかもしれない。

ハヤカワ・ミステリマガジンはミステリ小説の専門誌であり、年1回の「ミステリが読みたい」でランクインした小説はどれも読み応えがあるので、本選びの参考としてきた。

2.ミステリが読みたいランキングベスト10(国内)

カッコ内は自分のための備忘メモ。

1位 伊吹亜門 刀と傘 (明治京洛推理帖) (ミステリ・フロンティア)
明治維新前夜の京都が舞台の短編連作)

2位 横山秀夫 ノースライト
(筆者が6年余りをかけた渾身の長編)

3位 今村昌弘 魔眼の匣の殺人
(昨年1位の「屍人荘の殺人 (創元推理文庫)」に続くランクイン)

4位 奥田英朗 罪の轍
(昭和38年に発生した「吉展ちゃん事件」がモチーフ。高度成長時代の日本を描く)

5位 阿津川辰海 紅蓮館の殺人 (講談社タイガ)
(主人公は高校生でもあり、青春ものでもある)

6位 長浦 京 マーダーズ
(冒険小説の系譜を継ぎながらもミステリの完成度を高めた圧巻の犯罪小説)

7位 道尾秀介 いけない
(各章の最後に置かれた写真が大きな鍵になっている)

8位 青柳碧人 むかしむかしあるところに、死体がありました。
(誰もが知っている昔話を、本格ミステリに仕立てた短編集)

9位 宮部みゆき  昨日がなければ明日もない
(杉村三郎シリーズ。三作の中編。杉村vs困った女たち)

10位 柄刀 一 或るエジプト十字架の謎

3.ミステリが読みたいランキングベスト10(海外)

1位 アンソニーホロヴィッツ メインテーマは殺人 (創元推理文庫)
(昨年1位のカササギ殺人事件 上 (創元推理文庫)に引き続き1位に。著者自身が語り手とワトスン役を務める)

2位 ドン・ウィンズロウ ザ・ボーダー 上 (ハーパーBOOKS)
(「犬の力」「カルテル」に続く麻薬戦争三部作完結編)

3位 陳浩基 ディオゲネス変奏曲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(短編集)

4位 ユーディト・W・タシュラー 国語教師
(メールのやりとりや戯曲形式、作中作など様々な文章形式で表現)

5位 アッティカ・ロック ブルーバード、ブルーバード (ハヤカワ・ミステリ)
(他民族社会アメリカの現代を描いている)

6位 ロバート・ロプレスティ 休日はコーヒーショップで謎解きを (創元推理文庫)
(9編の珠玉の短編集)

7位 ピーター・スワンソン ケイトが恐れるすべて (創元推理文庫)

8位 スチュアート・タートン イヴリン嬢は七回殺される

9位 ジョーダン・ハーパー 拳銃使いの娘 (ハヤカワ・ミステリ)

10位 ジョーン・リンジー ピクニック・アット・ハンギングロック (創元推理文庫)

4.ベスト10以外で気になった本

・髙村 薫 我らが少女A

米澤穂信 Iの悲劇
(過疎化対策の移住計画が悲劇を生む連作集)

月村了衛 欺す衆生
豊田商事事件をモチーフにした)

・葉真中顕 Blue
(平成時代を振り返る構成)

若竹七海 殺人鬼がもう一人
(架空の街の裏の顔を明らかにする連絡短編集。ブラックユーモアがよい)

サイコセラピスト (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

5.まとめ

ミステリ小説は数多く出版されている。様々なジャンルがあるが、現代の社会情勢などをモチーフとしたものも多い。読み物としての楽しさとともに、今の社会問題に対するモノの見方などを知るヒントにもなるので、今後も興味を持って読書を続けたい。


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