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恐怖を感じるのはなぜ?恐怖の心理学と文化学を学ぶ一冊「恐怖の正体」

こんにちは。この記事では、精神科医で作家の春日武彦さんの著書「恐怖の正体-トラウマ・恐怖症からホラーまで」(中公新書)を紹介します。


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この本は、人間がなぜ恐怖を感じるのか、その心理的なメカニズムや文化的な背景を探求した一冊です。

私はこの本を読んで、恐怖の多様性や深層に気づき、自分の恐怖に向き合う勇気を得ました。

この本は、恐怖に興味のある方や、自分の恐怖を克服したい方におすすめです。

この本の中で特に興味深かった点をいくつか紹介します。

恐怖の種類と分類


春日さんは、恐怖を大きく二つの種類に分けています。

一つは、生物学的に決まった恐怖で、人間の本能や遺伝によって生じるものです。

例えば、高所や暗闇、毒蛇やクモなどの生き物に対する恐怖です。


もう一つは、社会的に形成された恐怖で、人間の文化や教育によって生じるものです。

例えば、死や病気、孤独や貧困などの抽象的な概念に対する恐怖です。


この二つの種類の恐怖は、それぞれ異なる反応を引き起こします

生物学的な恐怖は、身体的な危険から逃れるために、自律神経や内分泌系を活性化させ、戦うか逃げるかの反応を示します。

社会的な恐怖は、心理的な不安から解放されるために、認知や情動を変化させ、理解するか受け入れるかの反応を示します。


私は、この分類がとても納得できました。

自分の恐怖をどの種類に分けられるか考えることで、その恐怖の根源や意味を理解しやすくなりました。

また、自分の反応の仕方も自覚することができました。

例えば、私は高所恐怖症で、高いところにいると足がすくんで動けなくなります。

これは、生物学的な恐怖の反応で、身体が自動的に危険から守ろうとしているのだと思います。

一方、私は死に対する恐怖も持っていますが、これは社会的な恐怖の反応で、心が自分の存在や意義を問いかけているのだと思います。

恐怖の起源と発達


春日さんは、恐怖がどのようにして人間の心に生まれ、発達していくのかを、発達心理学神経科学の知見をもとに説明しています。

恐怖は、人間が生まれたときから持っている感情ではなく、成長する過程で獲得していくものだと言います。

恐怖は、人間が自分と他者、自分と世界の関係を築くために必要な感情であり、その発達段階によって異なる恐怖が現れます。


例えば、乳幼児期には、母親や保護者から離れることに対する恐怖が生じます。

これは、分離不安と呼ばれ、自分の安全や安心を保証する存在との絆を確認するための恐怖です。

幼児期には、暗闇や怪物、魔法などに対する恐怖が生じます。これは、想像力の発達に伴って、現実と非現実の区別がつかなくなることによる恐怖です。

児童期には、学校や友達、試験などに対する恐怖が生じます。

これは、社会的な役割や期待に応えられるかどうかという不安による恐怖です。

思春期には、自分の身体や性、将来などに対する恐怖が生じます。

これは、自分のアイデンティティや価値観を確立する過程での葛藤や苦悩による恐怖です。


私は、この説明がとても興味深く、自分の人生を振り返ってみました。

私は、自分の恐怖がどのようにして生まれ、どのようにして変化してきたのかを思い出しました。

私は、子どものころは、暗闇や幽霊に怖がっていましたが、大人になってからは、仕事や人間関係に不安を感じるようになりました。

私は、自分の恐怖が自分の成長とともに変わってきたことに気づきました。私は、自分の恐怖が自分の人生の一部であることを受け入れることができました。

恐怖の治療と対処


春日さんは、恐怖が人間の生活に悪影響を及ぼす場合、どのようにして治療や対処をすることができるのかを、精神医学や心理療法の方法を紹介しています。

恐怖は、適度なレベルであれば、人間の生存や適応に役立つ感情ですが、過度になると、人間の心身に障害を引き起こすことがあります。

例えば、恐怖が強すぎて、普通の生活ができなくなる場合や、恐怖が不合理で、理由がわからない場合などです。このような場合には、専門家の助けを求めることが必要です。


春日さんは、恐怖の治療や対処には、主に二つのアプローチがあると言います。

一つは、恐怖の原因や意味を探るアプローチで、心理分析やカウンセリングなどが該当します。

もう一つは、恐怖の反応や行動を変える認知行動療法や暴露療法などが該当します。

これらのアプローチは、恐怖に対する思考や信念を修正したり、恐怖に直面して慣れたりすることで、恐怖の強度や頻度を減らすことを目指します。


私は、この本を読んで、自分の恐怖に対してどのような治療や対処が適切かを考えることができました。

私は、高所恐怖症に対しては、暴露療法を試してみたいと思いました。

高いところに少しずつ慣れていくことで、恐怖の反応を抑えることができるのではないかと思いました。

一方、死に対する恐怖に対しては、カウンセリングを受けてみたいと思いました。

死に対する自分の思いや感情を話すことで、恐怖の意味を理解することができるのではないかと思いました。

娯楽としての恐怖


春日さんは、人間がなぜ恐怖を楽しむのか、その心理的な理由や効果を分析しています。

恐怖は、本来は不快な感情ですが、人間はホラー映画やお化け屋敷などの娯楽として恐怖を求めます。

これは、恐怖が人間にもたらすプラスの効果があるからだと言います。

春日さんは、恐怖が人間にもたらすプラスの効果として、以下のようなものを挙げています。

  • 恐怖は、人間の生理的な興奮を高めることで、快感や満足感を与えることがあります。これは、恐怖の後に安心感や達成感を感じることで、恐怖自体が快感に変わる現象です。
  • 恐怖は、人間の感情や想像力を刺激することで、創造性や感受性を高めることがあります。これは、恐怖の中に隠された美や芸術性を発見することで、恐怖自体が魅力に変わる現象です。
  • 恐怖は、人間の自我や現実との距離を作ることで、自由や解放感を与えることがあります。これは、恐怖の中に入り込むことで、恐怖自体が冒険に変わる現象です。


私は、この分析がとても興味深く、自分の恐怖の楽しみ方を見直してみました。

私は、ホラー映画が好きで、よく見ます。私は、ホラー映画を見るときに、恐怖の中に隠された美や芸術性を感じることがあります。

例えば、映像や音楽、ストーリーや演技などの表現方法に感動したり、恐怖のテーマやメッセージに考えさせられたりします。

私は、ホラー映画を見ることで、恐怖を魅力に変えることができるのだと思いました。

本の背景と著者


この本の著者である春日武彦さんは、精神科医でありながら、作家や評論家としても活躍しています。

自身も恐怖に対する興味や経験を持っており、その中から多くの知識や洞察を得ています。


春日さんは、インタビュー記事で、自分が恐怖に興味を持ったきっかけや、恐怖に関する考え方を語っています。

子どものころからホラー映画や怪談などに夢中になっていたと言います。

春日さんは、恐怖に対する好奇心や探究心を持っていたと言います。恐怖を感じることは、人間の本質や真実に触れることだと言います。恐怖を楽しむことは、人間の可能性や自由を広げることだと言います。


私は、春日さんの恐怖に対する姿勢に感銘を受けました。

私は、春日さんのように、恐怖に対して積極的に向き合い、学び、楽しむことができるようになりたいと思いました。

本の評価とおすすめ度


私は、この本を読んで、恐怖について深く知ることができました。

この本は、恐怖の種類や分類、起源や発達、治療や対処、娯楽としての恐怖など、恐怖に関する様々な側面を分かりやすく説明しています。

恐怖の心理学や文化学、歴史学など、多角的な視点から恐怖を分析しています。

恐怖の事例やエピソード、引用や図表など、具体的で興味深い情報が満載です。


私は、この本を読んで、自分の恐怖に対する理解や受容が深まりました。

自分の恐怖に対する対処や克服の方法を見つけることができました。

恐怖に対する楽しみ方や価値観が変わりました。


私は、この本を、恐怖に興味のある方や、自分の恐怖を克服したい方におすすめします。

この本は、恐怖の正体を知り、恐怖と向き合うことで、人生が豊かになることを教えてくれる一冊です。

この本は、下記リンクから購入できます。