こんにちは、このブログでは、私が読んで感動した本や、役に立った本を紹介しています。今回は、世界の事実に基づいて、思い込みを乗り越えて世界を正しく見る習慣を身につけることができる本、「FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」についてお話ししたいと思います。
この本は、スウェーデンの医師であり、グローバルヘルスの教授であり、教育者でもあったハンス・ロスリング氏が、息子のオーラ・ロスリング氏とその妻のアンナ・ロスリング・ロンランド氏と共に書いたものです。ハンス氏は2017年に他界しましたが、人生最後の年はこの本の執筆に捧げました。
この本では、世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介しています。たとえば、こんな質問です。
- 質問:世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
- A 20%
- B 50%
- C 80%(正解)
- 質問:いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
- A 20%
- B 50%
- C 80%(正解)
どうでしょうか。あなたは正解できましたか。実は、このクイズは、大半の人が正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できないという結果が出ています。しかも、専門家や学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低いというから驚きです。
その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからです。例えば、
- 分断本能:何かをふたつに分断して捉えてしまう。例えば、「途上国」と「先進国」
- ネガティブ本能:物事のポジティブな面よりネガティブな面に着目しやすい
- 直線本能:グラフは真っ直ぐに伸びていくだろうと考えてしまう
- 恐怖本能:実際のリスクよりもドラマチックなものの危険性を過大評価してしまう
- 過大視本能:特定の数字だけに着目してそれがとても重要な問題であるかのように捉えてしまう
- パターン化本能:自分以外をアホだと決めつけてしまう
- 宿命本能:すべてはあらかじめ決まっていると思い込む
- 単純化本能:複雑な現象を単純化して理解しようとする
- 犯人捜し本能:何か悪いことが起こったら誰かを責めたくなる
- 焦り本能:すぐに結果が出ると期待してしまう
これらの思い込みは、私たちが世界を正しく見ることを妨げています。しかし、この本では、これらの思い込みを乗り越える方法を、具体的なデータや事例をもとにわかりやすく説明してくれます。教育、貧困、環境、エネルギー、医療、人口など幅広い分野を取り上げています。
この本の長所
この本の長所を以下にまとめてみました。
- 世界の現状や将来に対する楽観的な見方ができるようになる
- データや事実に基づいて物事を判断するスキルが身につく
- 自分の思い込みやバイアスに気づき、それを修正する機会が得られる
- 著者のハンス氏の人柄や人生が感じられる
- グラフや写真などのビジュアルが豊富で分かりやすい
この本を読んで感動した点や役に立った点
私はこの本を読んで、以下のような点に感動したり役に立ったりしました。
- 世界の人口が増え続けることに不安を感じていたが、実は世界の出生率は減少傾向にあり、人口は100億人から120億人の間で頭打ちになるだろうという予測を知って安心した。また、人口増加は平均寿命の伸びによるものであり、それ自体は喜ばしいことだと気づかされた。
- 世界の貧困問題は解決不可能だと思っていたが、実は極度の貧困にある人の割合は過去20年で半分になったという事実を知って驚いた。また、貧困層は一枚岩ではなく、レベル1からレベル4まで様々な生活水準があることを知った。
この本の背景や著者について
この本は、著者のハンス氏が亡くなる直前まで書き続けた遺作です。ハンス氏はスウェーデンの医師であり、グローバルヘルスの教授であり、教育者でもありました。彼はアフリカで赤痢や栄養失調などの病気と闘った経験から、世界の健康状態や発展途上国の現実について啓蒙する活動を始めました。
ハンス氏は、TEDトークやテレビ番組などで、世界の事実に基づいたプレゼンテーションを行い、多くの人々を魅了しました。彼はタイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれたほか、さまざまな賞を受賞しました。彼は2017年に他界しましたが、人生最後の年はこの本の執筆に捧げました。
この本は、彼の遺志を受け継いだ子息オーラ氏と妻アンナ氏が完成させました。
この本を読んだ感想とおすすめ度
私はこの本を読んで、世界に対する見方や考え方が大きく変わりました。私は自分が世界について知っていると思っていましたが、実は多くの思い込みや偏見にとらわれていることに気づかされました。この本では、それらの思い込みを乗り越える方法やツールを具体的に紹介してくれます。
私は特に、「分断本能」と「直線本能」について学んだことが印象的でした。
「分断本能」とは、何かを二つに分断して捉えてしまうことです。例えば、「途上国」と「先進国」という分類です。この分類は現実を反映しておらず、世界は四つのレベルに分けることができるということを知りました。
「直線本能」とは、グラフは真っ直ぐに伸びていくだろうと考えてしまうことです。実際には、グラフは曲線になることが多く、将来の予測は不確実であるということを知りました。
この本は、世界の事実に基づいて、楽観的で合理的な見方をすることができるようになる本だと思います。世界は私たちが思っているよりもずっと良くなっているということを示してくれます。もちろん、まだ解決すべき問題はたくさんありますが、それらに対処するためには、ファクトフルネスを身につけることが必要だと感じました。
この本は、世界に興味がある人、自分の思い込みやバイアスに気づきたい人、データや事実に基づいて物事を判断するスキルを身につけたい人におすすめです。この本を読むことで、世界を正しく見ることができるようになり、正しい判断ができるようになると思います。
私はこの本を5段階評価で5つ星に評価します。この本は私の人生に大きな影響を与えました。この本を読んでから、私はニュースや情報に対してより批評的な視線で接するようになりました。また、自分の知識や意見を常に更新しようとする姿勢も身につけました。この本は私の視野を広げてくれた素晴らしい本です。