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世界はどうなるのか?『2035年の世界地図』で学ぶ民主主義と資本主義の終焉と新たな秩序

こんにちは。今回は、2023年2月に発売された話題の新書「2035年の世界地図―失われる民主主義、破裂する資本主義」について、私の感想とおすすめポイントを紹介したいと思います。


この本は、世界最高の知性が激動の近未来を大胆に予測した一冊で、戦争、疫病、貧困と分断、テクノロジーと資本の暴走など、歴史はかつてなく不確実性を増している現代において、「転換点」を迎えた世界をどうとらえるのか縮みゆく日本で私たちがなしうることは何か、人類最高の知性の目が見据える2035年」の未来予想図を示しています。


この本を読んで、私は自分の考え方やモノの見方が大きく変わりましたし、具体的な行動にもつながりました。この本は、これからの時代に備えたい人自分の居場所や役割を見つけたい人世界の動向や日本の将来に関心がある人にぜひおすすめしたいです。この記事では、この本の内容や感想を詳しく紹介し、読者にとってこの本を読む価値がある理由を示したいと思います。

この本の内容

この本は、「失われる民主主義」と「破裂する資本主義」という二つのテーマに沿って、世界各地域や国家の現状と将来像を分析しています。著者は、フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドドイツの哲学者マルクス・ガブリエルフランスの経済学者ジャック・アタリセルビア出身の経済学者ブランコ・ミラノビッチという四人の世界的な権威であり、それぞれ異なる視点から世界地図を描き出しています。また、日本からは東浩紀や市原麻衣子などの知性が対談形式で参加し、日本的な視点や問題意識も加えています。

民主主義の未来予想図

トッドとガブリエルは、「民主主義」という概念や制度が危機に直面していると指摘します。

トッドは、「民族的多様性」と「社会的平等」が民主主義の基盤であるという仮説を立てて、歴史的なデータや統計から各国や地域の民族的・社会的構造を分析します。その結果、「民族的多様性」が高まりすぎると「社会的平等」が失われ、「社会的平等」が高まりすぎると「民族的多様性」が失われるというジレンマが生じることを示します。そして、このジレンマによって、アメリカやヨーロッパなどの西洋型の民主主義は崩壊の危機にあると断言します。

一方、ガブリエルは、「民主主義」という言葉が多義的で曖昧であるという問題を提起します。彼は、「民主主義」とは何かを定義するために、「政治的民主主義」と「社会的民主主義」という二つの次元を導入します。そして、この二つの次元に沿って、各国や地域の政治的・社会的状況を評価します。その結果、「政治的民主主義」が機能しなくなり、「社会的民主主義」が優先されるという傾向が世界的に広がっていることを示します。そして、この傾向によって、西洋型の民主主義は衰退し、中国型の「社会的民主主義」が台頭すると予測します。

資本主義の未来予想図

アタリとミラノビッチは、「資本主義」という経済システムが変容していると指摘します。

アタリは、「資本主義」とは何かを定義するために、「生産資本主義」と「財務資本主義」という二つの段階を導入します。そして、この二つの段階に沿って、各国や地域の経済的状況を分析します。その結果、「生産資本主義」が衰退し、「財務資本主義」が支配的になるという過程が世界的に進行していることを示します。そして、この過程によって、資本や富の集中や不平等が加速し、経済成長や雇用創出が停滞するという問題が生じることを警告します。

一方、ミラノビッチは、「資本主義」とは何かを定義するために、「クラス資本主義」と「国家資本主義」という二つのタイプを導入します。そして、この二つのタイプに沿って、各国や地域の所得分配や格差を分析します。その結果、「クラス資本主義」が危機に陥り、「国家資本主義」が優位になるという変化が世界的に起こっていることを示します。そして、この変化によって、国際間や内部の不平等が再編成され、新たな紛争や緊張が生まれる可能性があることを予測します。

この本の感想

この本を読んで私が感じたことや学んだことは以下の通りです。

  • この本は、世界地図を歴史人口学や哲学や経済学など様々な視点から分析し、現在の世界の動きや問題点を浮き彫りにしています。私は、これまで自分の住む日本や周辺のアジアだけに目を向けていましたが、この本を読んで世界全体の状況や関係性に目覚めました。私は、自分の知らないことや気づかなかったことがたくさんあったことに驚きました。
  • この本は、著者たちの豊富な知識や洞察力だけでなく、個性的な見解や解釈も読み応えがあります。私は、著者たちの意見に賛成することも反対することもありましたが、それが私の思考を刺激しました。私は、著者たちの議論に参加したいと思うほど、この本に引き込まれました。
  • この本は、私にとって自己変容のきっかけになりました。私は、この本を読んで自分の価値観や行動を見直すことになりました。私は、民主主義や資本主義という今まで当たり前だと思っていたものが崩れていく中で、自分は何を信じて何を選択するのか、という問いに答える必要があると感じました。私は、この本を読んで自分の居場所や役割を探すことになりました。

この本のおすすめポイント

この本をおすすめする理由は以下の通りです。

  • この本は、世界の現状や未来について深く考えることができます。この本は、単なる予測ではなく、歴史的・社会的・経済的な根拠や論理に基づいて世界地図を描いています。この本を読むことで、自分が今どこにいてどこに向かっているのか、という視野が広がります
  • この本は、著者たちの知性や個性に触れることができます。この本は、四人の世界的な権威がそれぞれ異なる視点から世界地図を描いています。この本を読むことで、著者たちの知識や洞察力だけでなく、見解や解釈も楽しむことができます。
  • この本は、自分自身について考えることができます。この本は、世界地図を描くだけでなく、日本や私たち個人がどう生きるべきかという問いに答えようと試みています。この本を読むことで、自分の価値観や行動を見直すことができます。

まとめ

2035年の世界地図――失われる民主主義、破裂する資本主義」は、世界的な歴史学者らが激動の近未来を大胆に予測した一冊です。この本は、民主主義や資本主義という今までの秩序が崩壊し、新たな勢力や価値観が台頭する中で、日本や私たち個人はどう生きるべきなのか、という問いに答えようと試みています。

この本を読んで、私は自分の考え方やモノの見方が大きく変わりましたし、具体的な行動にもつながりました。

この本は、これからの時代に備えたい人、自分の居場所や役割を見つけたい人、世界の動向や日本の将来に関心がある人にぜひおすすめしたいです。この本は、amazon楽天ブックスなどで購入できます。Kindle版もありますので、電子書籍で読みたい方もぜひチェックしてください。この本を読んだ感想や意見もお待ちしています。