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自分と社会の幸せを見つめ直すきっかけになる本「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」

こんにちは。今回は、幸せになるための科学的な方法を紹介する本、「幸せのメカニズム 実践・幸福学入門」についてご紹介します。

この本は、慶應義塾大学で幸福学を研究する前野隆司先生が、現代日本人1500人にアンケートを行い、データを解析してその構造を明らかにしたものです。幸せとは何か、どうやって測るのか、どうやってコントロールするのか、という疑問に答えてくれる本です。

この本を読んで、私は自分の幸せについて考え直すきっかけを得ました。この記事では、この本の内容や感想、著者の背景などを紹介していきます。この本に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

本の内容


この本は、以下のような構成になっています。

  • 第1章 幸福とは何か
  • 第2章 幸福を測る
  • 第3章 幸福の因子分析
  • 第4章 幸福のクラスター分析
  • 第5章 幸福の単純モデル
  • 第6章 幸せな人と社会


第1章では、幸福という概念について定義や分類を行います。

幸福には主観的なものと客観的なものがあり、それぞれに測り方や評価方法が異なります。また、幸福と関係する要素として、経済や健康、信仰、結婚、子供などが挙げられますが、それらがどのように影響するかは一概に言えません。

人間はフォーカシング・イリュージョンという現象によって、間違ったことに焦点を当ててしまうことがあります。例えば、年収が高ければ幸せになれると思っても、実際には感情的な幸福は一定程度までしか上がりません。そのため、自分が本当に求めているものは何かを見極める必要があります。


第2章では、幸福を測る方法について紹介します。

主観的な幸福は自己申告式のアンケートで測ることができますが、その際には質問の仕方や回答者の特性に注意する必要があります。

客観的な幸福は生活水準や教育水準などの指標で測ることができますが、それらも完全ではありません。また、国際的な比較も難しく、文化や価値観の違いを考慮する必要があります。前野先生は自らアンケート調査を行い、心的要因だけでなく環境要因も含めた多変量解析を行っています。


第3章では、前野先生が行ったアンケート調査から得られたデータを因子分析することで、幸福に重要な4つの因子を導き出します。それらは以下のように名付けられました。

  • やってみよう因子(自己実現と成長
  • ありがとう因子(つながりと感謝
  • なんとかなる! 因子(前向きと楽観
  • あなたらしく! 因子(独立とマイペース

これらの因子は、自分の能力や目標を高めること、人との関係を大切にすること、ポジティブに物事に対処すること、自分らしさを貫くこと、という幸せになるための基本的な姿勢を表しています。前野先生は、これらの因子に関する具体的なアドバイスや実践方法も紹介しています。


第4章では、前野先生が行ったアンケート調査から得られたデータをクラスター分析することで、幸福度の高いグループから低いグループまで5つのタイプに分類します。それらは以下のように名付けられました。

  • ハッピー
  • チャレンジャー
  • サポーター
  • サバイバー
  • アンハッピー

これらのタイプは、4つの因子の満たされ方やバランスによって異なります。ハッピーはすべての因子が高く、アンハッピーはすべての因子が低いです。チャレンジャーはやってみよう因子が高く、サポーターはありがとう因子が高いです。サバイバーはなんとかなる! 因子が高く、あなたらしく! 因子が低いです。前野先生は、これらのタイプに応じた幸福度の向上策も提案しています。


第5章では、前野先生が提唱する幸福の単純モデルを紹介します。このモデルは、幸福度を最大化するために必要な2つの要素を示しています。それらは以下のように表されます。

  • 幸福度 = 満足度 × 感動度
  • 満足度 = 現状 / 期待
  • 感動度 = ピーク / 平均

このモデルは、自分の現状と期待とのギャップを小さくすることで満足度を高めること、そして自分の経験したピークと平均との差を大きくすることで感動度を高めること、が幸福度を上げるコツであることを示しています。前野先生は、このモデルを使って自分の幸福度を計算したり、改善したりする方法も教えてくれます。


第6章では、個人だけでなく社会全体の幸せについて考えます。

幸せな人は性格が良くなり、社会貢献や協力も増えます。また、幸せな人は年齢とともに性格が良くなる傾向があります。しかし、日本人は他国に比べてセロトニン(幸せホルモン)が少なく、笑顔も少ないです。そのため、日本社会では笑顔や楽観性を増やすことが重要です。また、社会的比較思考や制約の知覚も幸福度に影響します。前野先生は、日本社会が幸せになるために必要なことや課題も指摘しています。

本の感想


この本を読んで、私は以下のような感想を持ちました。

  • この本は、幸福に関する科学的な知識と実践的な方法をバランスよく提供してくれる本です。幸福という抽象的な概念を具体的に測定したり、分析したりすることで、自分の幸せのレベルやタイプを知ることができます。また、幸せになるための4つの因子や2つの要素を理解することで、自分の幸せをコントロールするスキルを身につけることができます。この本は、幸福学の入門書としても優れていると思います。
  • この本は、自分だけでなく他人や社会にも目を向けることが大切だと教えてくれる本です。幸せな人は周りの人にも優しくなり、社会にも貢献しようとします。逆に、周りの人や社会からも支えられたり、感謝されたりすることで幸せになります。この本は、個人主義や競争社会に疲れた人にもおすすめです。
  • この本は、自分の幸せを見つけるために必要なことは何かを問いかけてくれる本です。幸せとは一体何なのか、どうやって測るのか、どうやって増やすのか、という疑問に答えてくれますが、それだけではありません自分が本当に求めているものは何なのか、自分らしさとは何なのか、自分の価値観とは何なのか、という問いにも向き合わせてくれます。この本は、自分探しや人生設計にも役立つと思います。


本の評価


私はこの本を★★★★★(5つ星)で評価します。この本は、幸せに関する最新の研究成果や実践方法をわかりやすく紹介してくれるだけでなく、読者に自分の幸せを見つめ直す機会を与えてくれる本です。この本を読んで、私は自分の幸福度を計算したり、改善したりする方法を学びましたが、それ以上に自分の人生について考えるきっかけを得ました。この本は、幸せになりたい人、幸せにしたい人、幸せにする人におすすめです。

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