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東京の不動産の未来を解き明かす!「ようこそ、2050年の東京へ 生き残る不動産 廃墟になる不動産」

こんにちは。今回は、住宅ジャーナリストの榊淳司さんが書いた「ようこそ、2050年の東京へ 生き残る不動産 廃墟になる不動産」(イースト新書)という本を紹介します。


この本は、成長を期待できない日本において、首都・東京が歩むこれからの30年を予測し、不動産の価値や動向を分析しています。東京にとって1960年から90年は、「高度経済成長」による拡大・発展の30年間だったと言いますが、それから現在までは「失われた20年」を経て、停滞する30年間を過ごしたと指摘します。では、これからの30年はどうなるのでしょうか?


榊さんは、東京でも進む人口減少・高齢化、ワークスタイルの変化によるオフィス需要の激減経年劣化するマンション崩壊の危機空き家問題とシャッター商店の増大など、数々の困難を乗り越え、インバウンドを取り込みながら、東京は文化・芸術・遊楽の街として生き残るという見通しを示します。


そのためには、どんな不動産が生き残り、どんな不動産が廃墟になるのか?この本では、「歩きたくなる個性ある街」「無機質に続く人工的な街」の対比をしながら、具体的なエリアや物件名を挙げて解説しています。例えば、

  • 「歩きたくなる個性ある街」(=銀座、新宿、渋谷、上野など)は、「オフィス需要」が減っても価値ある街と不動産となる。
  • 「無機質に続く人工的な街」(=湾岸エリア、国道16号沿線など)は、「オフィス需要」が減ったら価値が急落する街と不動産となる。


このように、この本は、東京の不動産市場における「勝ち組」と「負け組」を明確に分けています。そして、その差がどのような影響をもたらすかも詳しく説明しています。



この本を読んで感じたことは、

  • 東京は拡大から縮小に転じ、「爛熟」が始まるという考え方が参考になった。これまで成長や拡大を前提にしていた不動産投資や住宅購入の常識が変わらなければならないと気づかされた。
  • 東京は「ハレの場」として輝くという展望が興味深かった。インバウンドを魅了する東京の文化や芸術や遊楽の要素がどんなものか具体的にイメージできた。
  • 不動産の価値は、立地や建物の性能だけでなく、街の歴史や文化や個性にも左右されるということがわかった。自分が住んでいる街や興味のある街の特徴や魅力を再発見できた。

この本の著者である榊淳司さんは、住宅ジャーナリストとして、マンションや不動産に関する多くの本や記事を執筆しています。彼は、1980年代後半からマンションの広告制作や販売戦略立案などを手がけてきた経験をもとに、一般ユーザーを対象にした住宅購入セミナーも開催しています。彼の本は、不動産の専門知識だけでなく、国際政治や経済や歴史など幅広い視野から分析したもので、読者にとって有益な情報や示唆を提供しています。


この本は、東京の未来を予測するだけでなく、自分の住まいや投資に関する判断基準や方向性を見直すきっかけになる本だと思います。東京に住んでいる人はもちろん、東京に興味のある人にもおすすめです。ぜひ、読んでみてください。


「ようこそ、2050年の東京へ 生き残る不動産 廃墟になる不動産」(イースト新書)は下記リンクから購入できます。