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【書評】自分の心に振り回されない29の方法を学ぶ「自分という壁」を読んでみた

こんにちは。今回は、話題の禅僧・大愚元勝さんの著書「自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法」を読んでみたので、感想とおすすめポイントをシェアしたいと思います。


この本は、自分の心にある思い込みや妄想、期待や比較などの「壁」を超えることで、あらゆる悩みや苦しみを手放すことができるという内容です。仏教の思考法に基づいて、自分の心との向き合い方や負の感情の手放し方を具体的に解説しています。


本書は、以下のような構成になっています。

第1章 自分という壁
第2章 思い込みと妄想
第3章 勝手な期待
第4章 他人と比較する
第5章 自分を責める
第6章 自分を許す
第7章 自分を変える


各章では、それぞれの「壁」について、その原因や影響、対処法を説明しています。また、実際に著者が受けた相談や体験談も紹介しており、読者に共感や参考になるものが多くあります。



本書の長所と短所をまとめてみました。


長所:

・仏教の教えをわかりやすく現代風に解釈している。
・具体的な例やエピソードが豊富で、イメージしやすい。
・読者に対して説教するのではなく、対話するような親しみやすい文体。
・心理学や哲学など他分野からも引用して幅広い視野を提供している。
・提示されている29の方法はどれもシンプルで実践しやすい。


短所:
仏教用語や専門用語が多くて難解と感じるかもしれない。
・一部の方法は個人差があって効果が出にくいかもしれない。
・宗教色が強くて抵抗感を持つ人もいるかもしれない。



私はこの本を読んで感動した点や役に立った点がいくつかあります。その中から3つ紹介します。


1つ目は、「他人は自分の思い通りに動かせない」ということです。

私はよく家族や友人に対して、「わかってくれるはずだ」「こうしてほしい」という期待を持ってしまいます。しかし、それが叶わないときにイライラしたり落ち込んだりします。

本書では、他人は自分と違う価値観や感情を持っており、自分の思うようにコントロールできないことを認めることが大切だと言っています。それは自分も同じであり、他人から期待されてもそれに応えられないこともあるということです。このことに気づくと、他人に対して無理な要求をしなくなり、自分も自由になれると感じました。


2つ目は、「自分の心は自分で作っている」ということです。

私はよく過去の失敗や後悔について考えてしまいます。

本書では、過去は変えられない事実であり、それに対する感情は自分の心が作り出しているものだと言っています。つまり、自分の心は自分で変えることができるということです。過去に囚われるのではなく、現在や未来に目を向けることができれば、心が軽くなると思いました。


3つ目は、「自分を責めるのではなく許す」ということです。

私はよく自分の能力や性格に不満を持ってしまいます。

本書では、自分を責めるのではなく、自分を受け入れることが大切だと言っています。自分を責めることは、自分を傷つけるだけでなく、他人にも嫌われる原因になるということです。自分を許すことは、自分を愛することであり、それが他人への愛にもつながるということです。このことに気づくと、自分にも他人にも優しくなれると感じました。



この本の背景や著者についても触れておきたいと思います。

著者の大愚元勝さんは、禅僧でありながら、事業家や作家・講演家・セラピスト・空手家など多彩な顔を持つ異色の人物です。幼少期から僧侶の道を歩んできましたが、厳しい師匠や堅苦しいしきたりに反発して寺を飛び出しました。その後、仏教理念から恵まれる仕組みを構築して複数の会社を立ち上げましたが、40歳を目前に再び寺に戻ることを決意しました。現在は、福厳寺の住職として僧侶の育成や仏教の普及に努めており、YouTubeでお悩み相談番組「大愚和尚の一問一答」も配信しています。この番組は登録者数57万人を超える人気で、多くの人々から支持されています。


この本は、仏教の教えを現代風に解釈してわかりやすく伝えてくれる本です。自分の心に振り回されて悩んでいる人には特におすすめです。私もこの本を読んで心が軽くなりましたし、考え方や行動も変わりました。あなたもぜひ読んでみてください。