本屋さんのビジネス書コーナーにいくと「自己啓発系」の書籍が結構並んでいる。
「仕事ができる人がやっている◯つの習慣」「必ず成功する◯◯の法則」といった感じのタイトルがつけられている。これらの書籍は、読了後、そのあとの実生活においてプラスの効果があるのだろうか。
<目次>
1.読んだことによって得られるカタルシス
ビジネス書の内、自己啓発系の書籍はタイトルのつけ方が面白い。カバーデザインも工夫されているので、手にとって中を見たくなる存在である。おそらく、自分の中で課題を乗り越えたいという問題意識や自己成長したいという意欲がある人が手に取るのではないかと思う。
これらの書籍は、読んだだけで、「何だかできるようになった気分」になるよう工夫されて書かれている。そのように構成し演出することで読者ニーズに応えているのである。
ちょうど、アクションものやカンフー映画などを見終わったあとに「何だか自分まで強くなって敵に打ち勝てる気分」になるのと同様の気分を与えてくれる。
読んだ後にカタルシスを得るといったことが主目的であれば、十分に「役立っている」と言えるだろう。しかし、実生活の中において現実の問題を乗り越える力を身につけたいとか、自己成長したいというニーズに対しては、読書後すぐに身につくものではない。
2.知識とすることと、実際身に付けることには落差がある。
知識を得て見聞を深めるという目的であれば、気になった本を手に取って読めばよい。知的エンターティメントにもなる。しかし、当初の目的である自分の中で課題を乗り越えたいといった行動変容を引き起こすレベルの効果はすぐには出ない。書いてある内容を十分に理解した上で、自分なりの取り組みにアレンジする必要がある。また、行動に移せても、継続できるかは本人の意思と習慣化できるかにかかってくる。
つまり、「頭ではわかっても、なかなかできない」といったことは、世の中にはいっぱいあるものだ。
3.気になった本は厳選し、繰り返し読もう。
だから、自己啓発系のビジネス書は知的好奇心を満たす目的で読むといい。その中でこころに引っ掛かった本は手元に残しておき、繰り返し読もう。自分の価値観と合致するものであれば、繰り返し読んでいくうちに思考回路に取り込まれていくと思う。気になった箇所をノートに書き写したりすることも役に立つ。
私の場合は、もともと自己啓発系のビジネス書はあまり読んで来なかった。ただ、尊敬できる人から薦めてもらった以下の2冊は、心に残ったので何度か繰り返し読んでいる。
・D・カーネギー著「道は開ける」 悩みや問題解決に関する指南書
・同 上 「人を動かす」 人間関係についてのアドバイス
量冊とも、古典的なロングセラーである。古い本であるが、今なお「なるほど」と感じさせられることも多く、ときどき読み返している。
どの書籍が自分に合致するかは、個々人によってずいぶん違いがあるのが実状だが、「これだ」と思える本に出会えたら幸運であろう。
4.まとめ
・自己啓発系のビジネス書は読んだ後に「なんだかできる気になった気分」となるよう工夫されている。
・読んで知識としてインプットされた状態と、行動まで変化し成果がでる状態はレベル差が大きいものだ。
・自分に合っているという本に出会えたなら、手元において繰り返し読もう。自分の思考回路に取り込まれたときに、行動も変わってくるだろう。
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