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限界ニュータウン探訪記 千葉県北東部の忘れられた分譲地で見つけたもの

こんにちは。今回は、千葉県北東部にある「限界ニュータウン」と呼ばれる荒廃した分譲地を取材し、実際にそこに住んでいるブロガーである吉川祐介さんの著書「限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地」を紹介します。


限界ニュータウンとは


限界ニュータウンとは、1970年代に成田空港の開港を見越して乱開発されたが、その後放置された空き地や空き家が多く残る分譲地のことです 。

この地域は、当時の政府や開発業者が「ニュータウン」という言葉で売り出したもので、都市から離れた自然豊かな環境で快適な住宅生活を送ることができるというイメージを持たせました。

しかし、実際には、成田空港の建設が反対運動によって遅れたことや、バブル崩壊後の不況や人口減少などによって、この地域は住民や需要が減少し、インフラやサービスが整備されず、荒廃していきました 。

現在では、この地域には約1万人の住民が暮らしていますが、そのうち約8割が高齢者です。

また、この地域には約2万戸の住宅がありますが、そのうち約4割が空き家です。

空き家は放置されたままで、草木やゴミなどで埋もれているものも多くあります。


このように、限界ニュータウンは、日本の都市開発や住宅政策の歴史や背景を知る上で貴重な事例であると言えます。

限界ニュータウンに住む人々


限界ニュータウンは、住宅地としては不便で劣悪な環境だと言われています。

しかし、それでもそこに住む人々がいます。彼らはどうしてそこに住むことを選んだのでしょうか?


この本では、限界ニュータウンに住む人々の様々な事例が紹介されています。例えば、

  • かつては都心で働いていたが、リストラや借金などで生活に困り、安価な土地を求めて移住した人
  • 都会の喧騒や人間関係から逃れたいと思い、自然や静寂を求めて移住した人
  • 子育てや教育環境を考えて移住した人
  • 趣味や仕事として農業や自然保護活動を行っている人
  • 小屋暮らしやアートやイベントなどの創造的な活動を行っている人

などです。


これらの人々は、限界ニュータウンという特殊な空間と向き合って、自分なりの理由や価値観で暮らしています。

しかし、彼らの暮らしは決して楽ではありません。

彼らは以下のような問題や困難に直面しています。

  • 交通や医療や商業などのインフラやサービスが不足していること
  • 空き家や空き地が多く、治安や景観が悪化していること
  • 高齢化や過疎化が進み、コミュニティや支援が弱まっていること
  • 土地の所有権や管理責任が不明確で、開発業者や自治体とのトラブルが発生していること

などです。

この本では、これらの問題や困難に対して、住民や著者がどのように対処しているかも詳しく説明されています。

限界ニュータウンの可能性


限界ニュータウンは、荒廃する超郊外の分譲地というネガティブなイメージだけではありません。

この本では、限界ニュータウンに新たな可能性やチャレンジを見出している人々も紹介されています。


例えば、

  • 空き家をリノベーションしてシェアハウスやゲストハウスにする人
  • 空き地を利用して野菜や果物を栽培し、販売や交換をする人
  • 空き家や空き地をアトリエやギャラリーにする人
  • 空き家や空き地を舞台にして演劇や音楽などのパフォーマンスをする人

などです。


これらの人々は、限界ニュータウン自分たちのライフスタイルや表現手段として活用しています。

彼らは限界ニュータウンに新しい価値や魅力を与えています。

この本では、これらの活動の内容や成果や課題なども詳しく紹介されています。

まとめ


この本は、単なる不動産情報ではなく、日本社会の変遷や現状を知る上で参考になる一冊です。

また、自分の暮らし方や価値観を見直すきっかけにもなります。

著者の吉川祐介さんは、1981年生まれのブロガーで、2017年から「URBANSPRAWL -限界ニュータウン探訪記-」というブログを開設し、千葉県北東部の限界分譲地をたずね歩き、調査を重ねて記事を執筆してきました。

2022年からはYouTubeチャンネル「資産価値ZERO -限界ニュータウン探訪記-」にて動画配信も行っています。彼は自らも限界分譲地に住んでおり、その暮らしや感想もブログや動画で公開しています。

この本は、彼のブログや動画の内容をまとめたものであり、彼の視点や経験が生きています。

彼は限界ニュータウンに住むことのメリットやデメリット、楽しさや苦労などを率直に語っており、読者にとっては現地の生の声として貴重です。

この本は、限界ニュータウンに興味がある人はもちろん、日本の都市開発や住宅政策、社会問題などに関心がある人にもおすすめです。

この本は、下記リンクから購入できます。

この本を読んで、限界ニュータウンの現実と可能性について考えてみませんか?


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