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『アスリート盗撮』の恐ろしい現実と対策―共同通信運動部が語る性的画像問題

こんにちは、このブログでは私が読んだ本の感想やおすすめを紹介しています。今回は、共同通信運動部編の「アスリート盗撮 (ちくま新書 )」という本について書きたいと思います。

この本は、スポーツ界に横行する性的画像問題を取材したルポルタージュです。アスリートの盗撮というと、どんなイメージが浮かびますか?私は最初、カメラ小僧が女性アスリートの写真を撮って収集しているだけの話かと思っていました。しかし、この本を読んで驚きました。実は、アスリートの盗撮は、性的な意図で画像や動画を撮影し、ネットに拡散するという深刻な犯罪です。


被害者は、自分の身体が性的なモノとして加工・再構築され、晒されることで心理的な苦痛を受けます。また、盗撮サイトは巨大な市場になっており、営利目的やアディクション問題も絡んでいます。この本では、被害者や元アスリートの声や訴え、加害者側の動機や心理、法整備や対策の議論などが詳しく紹介されています。私はこの本を読んで、以下のようなことに気づきました。

  • アスリート盗撮は、競技によっては一般客による撮影を全面禁止にしているところもあるほど深刻な問題です。しかし、多くの場合は撮影自体は許可されており、性的な意図で撮影するかどうかは個人のモラルに委ねられています。これは、被害者が声を上げにくい状況を作っています。
  • アスリート盗撮は、SNSの普及でネット被害が増しています盗撮された画像や動画は、ネット上で簡単に拡散され、消すことが困難です。また、盗撮サイトは広告料で年間数千万稼いでいる猛者もいるということです。
  • アスリート盗撮は、法整備や罰則化も進んでいます。2021年には性的姿態等撮影罪が制定されました。東京五輪では禁止行為として明記されました。しかし、まだ完全な解決には至っておらず、線引きや取り締まりの難しさも残されています。


この本を読んで感じたことは、「アスリート盗撮」という言葉に隠された現実の恐ろしさと悲しさです。私はスポーツファンとして、アスリートのパフォーマンスや表情に感動したり応援したりします。しかし、その裏で彼ら彼女らがこんな被害に遭っていると知ると胸が痛みます。アスリートたちは自分の身体を鍛えて競技に挑んでいますが、それが性的なモノとして扱われることは許されません。彼ら彼女らは人間であり、尊厳を持っています。私はこの本を読んで、アスリートの盗撮を許さない社会の雰囲気を作ることが大切だと思いました。


この本の著者は、共同通信運動部の記者たちです。彼ら彼女らは、2020年夏からこの問題に取り組み、多くの関係者にインタビューを行いました。彼ら彼女らは、この本を通して、アスリートの声を届けるとともに、社会に問題意識を喚起することを目指しています。


この本は、スポーツファンはもちろん、性犯罪やジェンダー問題に関心のある人におすすめです。この本は、アスリート盗撮の現状や背景を知るだけでなく、自分の考え方やモノの見方を変えるきっかけになると思います。この本は、下記リンクで購入できます。ぜひ読んでみてください。