こんにちは。
今回は、発達障害の人が見ている世界を紹介する本、「発達障害の人が見ている世界」(岩瀬利郎著)をご紹介します。
発達障害と聞くと、どんなイメージを持ちますか?
「空気が読めない」「感じが悪い」「変わっている」といったネガティブな印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、発達障害とは、一言で言えば“脳機能の特性”です。
発達障害の人と定型発達の人とでは、物事の受け止め方や感じ方、つまり「見ている世界」がかなり異なることがあるのです。
この本では、精神科医であり、1万人以上の発達障害の人やその他の精神疾患の人たちと向き合ってきた著者が、発達障害の人の見ている世界をわかりやすく解説してくれます。
この本を読めば、発達障害の人の言動や感情の理由が理解できるようになり、コミュニケーションの方法や対応のコツも学べます。
発達障害の人との人間関係に悩んでいる人はもちろん、発達障害の人の視点を知りたい人や、自分自身に発達障害の特性があるかもしれないと思う人にもおすすめの一冊です。
では、具体的にこの本の内容を見ていきましょう。
この本は、大きく分けて3つの章に分かれています。
第1章では、発達障害の人が抱えるコミュニケーションの困りごとを紹介しています。
例えば、以下のようなことです。
- 考えがかたくなで感じの悪い受け答えをしてしまう
- 人の話を黙って聞いていられず、ソワソワ、ウロウロ、ペチャクチャ
- 大事な約束をいつもすっぽかし
- 表情、声のトーン、しぐさなどを読み取れない
- 衝動的に怒ったり、笑ったり
- 集団行動ができない
- 空気が読めず、自分の理屈を押し通す
- ちょっとしたことでパニックに
- いつも自分に自信がない
これらの困りごとの背景には、発達障害の人の脳の特性があります。
発達障害の人は、状況を読んだり、人の気持ちを推測したりする脳の働きが定型発達の人より弱いことがわかっています。
そのため、相手の意図やニュアンスを正しく理解できなかったり、自分の感情や考えを適切に伝えられなかったりするのです。
この章では、それぞれの困りごとの原因と対処法を具体的に紹介してくれます。
例えば、「空気が読めず、自分の理屈を押し通す」という困りごとの場合、その原因は「脳の特性により、自分の考えが正しいと思い込みやすい」ということです。
そして、その対処法は、「自分の考えに自信があっても、相手の考えも尊重する」「自分の考えを伝える前に、相手の考えを聞く」「自分の考えを伝えるときは、根拠や理由を明確にする」「相手の反応を見て、話の流れを変える」などということです。
このように、この本では、発達障害の人の見ている世界を理解することで、困りごとが解決されていくことを教えてくれます。
第2章では、発達障害の人が抱える行動の困りごとを紹介しています。
例えば、以下のようなことです。
- 仕事でも家事でも失敗続き、そのほとんどが単純ミス
- 手先が不器用で、運動全般が苦手
- 行列に並ぶことができない
- せっかちで、いつもせかせか、イライラ
- 決まったものしか食べられない
- やるべきことを後回し
- 変化を恐れ、臨機応変に対応できない
- 大きな音に敏感で、電車に乗ることができない
- お風呂が大嫌い
- 片づけれず、汚部屋に住んでしまう
これらの困りごとの背景には、発達障害の人の脳の特性があります。
発達障害の人は、注意力や集中力、計画力、実行力、自己制御力などの脳の働きが定型発達の人より弱いことがわかっています。
そのため、細かい作業やルーティンワークにミスをしたり、時間や優先順位を管理できなかったり、衝動的に行動したりするのです。
この章では、それぞれの困りごとの原因と対処法を具体的に紹介してくれます。
例えば、「やるべきことを後回し」という困りごとの場合、その原因は「脳の特性により、やりたくないことや難しいことを先延ばしにしがち」ということです。
そして、その対処法は、「やるべきことを細かく分ける」「やるべきことを書き出して目に見える化する」「やるべきことに期限や報酬を設定する」「やるべきことを他人に宣言する」などということです。
このように、この本では、発達障害の人の脳の特性を知ることで、コミュニケーションや行動の困りごとが解決されていくことを教えてくれます。
第3章では、発達障害の人が抱える感情の困りごとを紹介しています。
例えば、以下のようなことです。
- 人との関わりに疲れてしまう
- 孤独や不安を感じる
- 自分の感情をコントロールできない
- 自分の感情を表現できない
- 自分の感情を理解できない
- 他人の感情を理解できない
- 他人の感情に影響されやすい
- 自分の価値観や目標がわからない
- 自分の存在意義や生きがいがわからない
- 自分を受け入れられない
これらの困りごとの背景には、発達障害の人の脳の特性があります。
発達障害の人は、自分の感情や他人の感情を認識したり、表現したりする脳の働きが定型発達の人より弱いことがわかっています。
そのため、感情のコントロールやコミュニケーションが苦手で、自己肯定感や自尊心が低くなりがちなのです。
この章では、それぞれの困りごとの原因と対処法を具体的に紹介してくれます。
例えば、「自分の存在意義や生きがいがわからない」という困りごとの場合、その原因は「脳の特性により、自分の興味や特技を見つけにくい」ということです。
そして、その対処法は、「自分の好きなことや得意なことを探す」「自分の強みや価値を認める」「自分の役割や目標を設定する」「自分の成長や貢献を感じる」などということです。
このように、この本では、発達障害の人の見ている世界を理解することで、感情の困りごとが解決されていくことを教えてくれます。
まとめ
以上が、発達障害の人が見ている世界を紹介する本、「発達障害の人が見ている世界」(岩瀬利郎著)の内容の一部です。
この本を読んで、私は発達障害の人の見ている世界がどんなものなのか、少しでも理解できたと思います。
もし、あなたも発達障害の人との人間関係に悩んでいるなら、ぜひこの本を読んでみてください。
あなたも、発達障害の人の見ている世界を知ることで、人間関係が楽になるかもしれません。
この本は、発達障害の人との人間関係に悩んでいる人はもちろん、発達障害の人の視点を知りたい人や、自分自身に発達障害の特性があるかもしれないと思う人にもおすすめの一冊です。
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