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『妻はサバイバー』の感想と学び。精神疾患を抱える家族と向き合うために必要なこと

こんにちは。今回は、朝日新聞記者の永田豊さんが書いた『妻はサバイバー』(朝日新聞出版)という本を紹介します。

この本は、摂食障害アルコール依存症、そして40代で認知症になった妻の闘病を、夫である著者が20年にわたって見守り、介護し、記録したルポルタージュです。

壮絶な内容にもかかわらず、冷静で客観的な筆致で綴られており、読者に強い衝撃と感動を与えます。


この本を読んで、私は精神疾患についての知識や理解を深めるとともに、夫婦の愛と苦悩、家族の絆と責任、社会の差別と無関心、医療の限界と可能性など、様々なテーマについて考えさせられました。

この記事では、この本の内容や感想を詳しく紹介し、読者の皆さんにもこの本を読んでみてほしいという思いを伝えたいと思います。

本の内容


妻はサバイバー』は、以下のような内容で構成されています。

  • 第1章「摂食障害:妻が摂食障害と診断されたことから始まる、食べ吐きの繰り返しや体重の激減、入退院の連続など、妻の苦しみと夫の対応の試行錯誤を描く。
  • 第3章「認知症:妻が40代で認知症と診断され、記憶や判断力が低下していく様子や、夫が妻の安全や生活を守ろうとするが限界にぶつかることなど、認知症の進行と夫の葛藤を描く。
  • 第4章「サバイバー」:妻が断酒に成功し、認知症の症状も安定していく様子や、夫が妻の状態に合わせて生活を変えていくことなど、夫婦の再生と希望を描く。

本の感想


この本を読んで、私が感じたことや学んだことは以下の通りです。


精神疾患は誰にでも起こりうるものであり、その原因や症状は多様で複雑であること。

妻は、幼少期の虐待や家庭環境、社会的なプレッシャーなど、様々な要因が重なって精神疾患に陥ったと著者は推測しています。

また、妻の症状は、摂食障害からアルコール依存症に移行し、さらに認知症に発展するという、予測不能な変化を見せました。

精神疾患に対する理解や対策は、個人や家族だけでなく、社会や医療のレベルでも必要であると感じました。


・夫婦の愛と苦悩は、言葉では表せないほど深くて複雑であること。

著者は、妻の病気に対して、憐れみや同情、怒りや嫌悪、愛情や責任、疲労や絶望など、様々な感情を抱きました。

しかし、著者は、妻を見捨てることなく、妻の側にいて、妻のためにできることをしようとしました。

著者は、自分の行動を「愛」からではなく、「選択」からだと言っていますが、私は、その選択こそが、夫婦の愛の証だと思いました。


・家族の絆と責任は、時に重荷になることもあるが、それを乗り越える力にもなること。

著者は、妻の病気によって、仕事や自分の生活にも大きな影響を受けました。

著者は、妻の病気を隠そうとしたり、妻から解放されたいと思ったり、自分も適応障害になったりしました。

しかし、著者は、妻だけでなく、娘や両親、友人や同僚など、周囲の人たちの支えや助言によって、立ち直ろうとしました。

著者は、家族の絆と責任を、自分の生きる力に変えることができたと思います。

まとめ


『妻はサバイバー』は、精神疾患に苦しむ妻を支える夫の20年にわたる記録です。

この本は、読む人によって感じ方や考え方が異なるかもしれませんが、私は、この本から多くのことを学びました。

精神疾患についての知識や理解を深めるだけでなく、夫婦の愛と苦悩、家族の絆と責任、社会の差別と無関心、医療の限界と可能性など、様々なテーマについて考えさせられる本です。

この本は、精神疾患に関心のある人はもちろん、夫婦や家族の関係について考えたい人、社会や医療の問題に目を向けたい人にもおすすめです。

読むだけでなく、感じることができる本です。

この本は、下記リンクから購入できます。

ぜひ、この本を読んで、妻はサバイバーという言葉の意味を感じてみてください。