こんにちは。このブログでは、私が読んだ本の感想やおすすめを紹介しています。今回は、小田嶋隆さんの「上を向いてアルコール」について書きたいと思います。
この本は、著者が20年間断酒を続けるまでのアルコール依存症の体験を赤裸々に告白したエッセイです。
コラムニストとして鋭い社会批評を展開する著者が、なぜアルコールに溺れたのか、どんな苦しみや後悔を抱えたのか、そしてどうやって酒をやめることができたのか、その過程を面白おかしく、時に切なく、時に感動的に語ります。
この本を読んで、私は以下のようなことに気づきました。
・アルコール依存症は、誰にでも起こりうる病気である。
著者は、元々酒はそんなに飲まなかったと言いますが、仕事が軌道に乗り、時間もお金もできた頃から、朝から飲むようになりました。
酒は、ストレスや孤独、不安や不満を紛らわせる魔法の薬のように感じられたのでしょう。
しかし、その代償は大きく、体や心、家庭や仕事、人間関係に深刻なダメージを与えました。
著者は、自分がアル中だと気づくのに10年もかかりました。
・アルコール依存症は、治療が必要な病気である。
著者は、酒をやめるきっかけとなったのは、心療内科での診断でした。
医師から「50で人格崩壊、60で死ぬ」と言われたことで、ショックを受けたと言います。
その後、薬やカウンセリング、自助グループなどの治療を受けて、断酒に成功しました。
しかし、それは決して簡単なことではありませんでした。
断酒中には、禁断症状や誘惑、再発の危機などに直面しました。
著者は、自分を「断酒中のアルコール依存者」と呼び、酒をやめたことで人生が変わったとは言いません。
酒をやめることは、人生の始まりに過ぎないと言います。
私は、著者の謙虚さと勇気に感銘を受けました。
・アルコール依存症は、周囲の理解と支援が必要な病気である。
著者は、酒をやめることができたのは、家族や友人、仕事仲間や読者など、多くの人の助けがあったからだと言います。
特に、妻の存在が大きかったと言います。妻は、著者の酒に対する依存を見抜き、やんわりとほっておいてくれたと言います。
また、著者が酒をやめた後も、冠婚葬祭などの場面で飲まないことを尊重し、支えてくれたと言います。
この本は、アルコール依存症の実態や治療法、予防策などについて、知識だけでなく、体験から得た深い洞察を提供してくれます。
また、著者の人間味あふれる筆致やユーモアも魅力的です。
この本は、酒に悩む人だけでなく、酒を楽しむ人や酒に関心のある人にもおすすめです。
この本を読めば、酒との付き合い方や自分の生き方について、考えるきっかけが得られると思います。
この本は、下記リンクから購入できます。ぜひ、読んでみてください。