日本社会にはびこる男性優位主義(マチズモ)について、あなたはどれだけ知っていますか?
マチズモとは、男性が優位でいられる構図や、それを守り、強制するための言動の総称です。
マチズモは、女性だけでなく男性にも多くの問題や苦しみをもたらしています。
ジェンダーギャップ指数で先進国でぶっちぎりの最下位になっている日本では、「マチズモとは関係ない」という人はもういません。
この記事では、武田砂鉄さんの「マチズモを削り取れ」を紹介します。
この本は、日常生活で遭遇するさまざまな場面や事象から、マチズモの実態や影響を徹底的に調査した一冊です。
この本を読むと、自分の考え方やモノの見方が変わるかもしれません。この本は、ジェンダーに関心のある人はもちろん、そうでない人にも目から鱗が落ちる一冊です。
この本がどんな内容なのか、気になりませんか?それでは、本書の内容と長所を簡単にご紹介しましょう。
本書は12章から構成されています。
各章では、路上や電車、学校やオフィス、トイレや結婚式など、私たちが普段気づかないかもしれないマチズモが横行する場面や事象を取り上げています。
そして、その背景にあるマチズモの思想や構造をデータや文献に基づいて論理的に分析しています。
また、筆者は自分自身の体験や思いも赤裸々に語っており、読者は筆者と共感したり反発したりしながら読み進めることができます。
この本の長所は、以下の5つです。
- 1つ目は、幅広いテーマや事例を取り上げていることです。
本書では、日常生活で遭遇するさまざまな場面や事象を取り上げており、読者は自分の経験や知識と照らし合わせて考えることができます。
また、本書では、女性だけでなく男性もマチズモに苦しんでいることや、マチズモが他の差別や不平等とも関連していることを示しており、ジェンダー問題に限定されない社会的な問題として捉えることができます。
- 2つ目は、データや文献に基づいて論理的に説明していることです。
本書では、マチズモの実態や影響を示すために、統計データや研究報告、法律や制度などの客観的な情報を多く引用しています。
また、本書では、マチズモの起源や歴史、文化や思想などにも触れており、マチズモがどのように形成されてきたかや、どのように変化してきたかを理解することができます。
- 3つ目は、オリジナルの見解や解釈を述べていることです。
本書では、筆者は自分自身の視点からマチズモについて考えており、読者に新たな気づきや問題意識を与えてくれます。
例えば、本書では、「男/女」という区分が社会的な構築物であることや、「立って尿をする」という行為が男らしさの象徴であることなどについて独自の分析を行っています。
また、本書では、「寿司は男のもの?」という章では、「寿司」という食べ物がどのように男性優位主義的な価値観や文化に影響されてきたかを詳細に検証しています。
- 4つ目は、自分自身の体験や思いを赤裸々に語っていることです。
本書では、筆者は自分がマチズモに苦しんだり、マチズモを反省したり、マチズモを克服しようとしたりする過程を率直に語っています。
例えば、本書では、筆者が子どもの頃に父親から受けた暴力や虐待、学生時代に体育会系の部活動で受けたいじめや洗脳、社会人として働く中で受けたセクハラやパワハラなどのエピソードを挙げています。
また、本書では、筆者が自分のマチズモ的な態度や言動に気づいたり、反省したり、改善したりする場面も描かれています。
例えば、本書では、筆者が女性の友人や恋人との関係で失敗したり、女性の同僚や部下とのコミュニケーションで失礼なことを言ったり、女性の専門家や著者とのインタビューで失態を犯したりする場面が紹介されています。
これらの体験や思いは、読者にとって共感できるものや考えさせられるものが多くあります。
- 5つ目は、読者にアクションを促していることです。
本書では、筆者は読者に対して、マチズモを削り取るために何ができるかや、どうすべきかを提案しています。
例えば、本書では、筆者は読者に対して、「男/女」という区分を捨てて、「人」として接することや、「立って尿をする」という行為をやめて、「座って尿をする」ことを勧めています。
また、本書では、筆者は読者に対して、「寿司は男のもの?」という章では、「寿司」という食べ物を男性だけでなく女性も楽しめるようにする方法や、「カウンターと本音」という章では、「カウンター」という空間を男性だけでなく女性も利用できるようにする方法を示しています。
さらに、本書では、筆者は読者に対して、「人事を握られる」という章では、「人事」という仕事をマチズモ的でなく公正で多様なものにする方法を提案しています。
これらのアクションは、読者にとって実践可能で効果的なものが多くあります。
以上が私が感じた「マチズモを削り取れ」の長所です。
この本は私にとって衝撃的で目覚めさせられる一冊でした。
私はこの本を読んで、自分のマチズモ的な思考や行動に気づきました。
そして、それらを改善しようと努力しました。私はこの本を読んで、ジェンダー問題だけでなく社会問題にも関心を持ちました。そして、それらに対して積極的に関わろうと決意しました。
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