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本当に大切なものは数値化できない。「客観性の落とし穴」を読んで気づいたこと

こんにちは、このブログでは、私が読んで感動した本や、役に立った本を紹介しています。今回は、村上靖彦さんの『客観性の落とし穴』という本をご紹介します。



この本は、現代社会で真理とみなされている「客観性」や「数値的なエビデンス」に疑問を投げかける一冊です。私はこの本を読んで、日常的によく使われる「客観性」や「数値的なエビデンス」といった言葉に対して自分の考え方が大きく変わりました。この本を読んだら、あなたもきっと新しい気づきや視点を得られると思います。

『客観性の落とし穴』とは?


『客観性の落とし穴』は、大阪大学大学院人間科学研究科教授の村上靖彦さんが書いた本です。2023年6月に筑摩書房から出版されました。この本は、現象学的な質的研究を専門とする著者が、自分の授業で学生から受けた質問に答える形で書かれています。その質問とは、「先生の言っていることに客観的な妥当性はあるのですか?」「エビデンスはあるんですか?」というものです。著者は、これらの質問が、現代社会で客観性や数値を過度に信用していることの表れだと考えます。そして、そのような考え方がどのようにして生まれたのか、どんな問題を引き起こしているのか、どうすれば解決できるのかを探っていきます。

この本の魅力


この本の魅力は、以下の5つにまとめられます。

  • 客観性や数値に対する素朴な疑問に答えてくれる

私たちは日常的に、「客観的なもの」「数値的なエビデンス」「測定」「統計」といった言葉に触れます。しかし、それらが何を意味するのか、どう使われているのか、どう扱うべきなのかについてはあまり考えたことがありませんでした。この本では、それらの言葉や概念がどのようにして誕生し、発展し、普及したのかを歴史的に追ってくれます。また、それらがもつメリットやデメリット、見落としてしまうものや隠してしまうものを具体的な事例やデータを用いて示してくれます。これにより、私たちは客観性や数値に対する素朴な疑問に答えを得ることができます。

  • 社会や心の「モノ」化する現象を明らかにする

この本では、「モノ」化する社会や心という現象に注目します。「モノ」化する社会とは、人間関係や感情や価値観などが数値化されて比較や競争の対象になってしまう社会です。「モノ」化する心とは、自分自身や他者や世界を数値化された「モノ」としてしか見られなくなってしまう心です。この本では、「モノ」化する社会や心がどんな影響を及ぼしているかを分析します。例えば、障害や貧困や差別などの社会的な問題に対する見方や対応がどう変わっているか、自分の幸せや不幸せの基準がどう変わっているかなどです。これにより、私たちは社会や心の「モノ」化する現象を明らかにすることができます。

  • 経験を言葉にすることの重要性を教えてくれる

この本では、経験を言葉にすることの重要性を教えてくれます。経験とは、私たちが生きていく中で感じたり考えたりしたことです。経験を言葉にすることで、私たちは自分自身や他者や世界とつながることができます。しかし、客観性や数値に支配された社会では、経験は軽視されたり無視されたりします。この本では、経験を言葉にすることで、私たちはどんな価値や意味を得られるかを説明してくれます。例えば、語りや物語や詩などの言葉の形式がどう経験を伝えるか、偶然やリズムやダイナミズムなどの時間の概念がどう経験を捉えるかなどです。これにより、私たちは経験を言葉にすることの重要性を教えてくれます。

  • 生き生きとした経験をつかまえる哲学を紹介してくれる

この本では、生き生きとした経験をつかまえる哲学を紹介してくれます。生き生きとした経験とは、私たちが感じたり思ったりしたことの内側からの視点です。生き生きとした経験をつかまえる哲学とは、現象学存在論倫理学などの哲学の一派です。この本では、生き生きとした経験をつかまえる哲学がどんな考え方や方法論を持っているかを紹介してくれます。例えば、ハイデガーメルロー=ポンティやレヴィナスなどの哲学者の思想や主張などです。これにより、私たちは生き生きとした経験をつかまえる哲学を紹介してくれます。

  • 競争から脱却したときに見えてくる風景を描いてくれる

この本では、競争から脱却したときに見えてくる風景を描いてくれます。競争から脱却するとは、客観性や数値に支配された社会から抜け出すことです。競争から脱却したときに見えてくる風景とは、私たちが本来持っている豊かさや多様性や可能性です。この本では、競争から脱却したときに見えてくる風景がどんなものかを描いてくれます。例えば、障害者や貧困者や差別された人々が持つ力や知恵や美しさなどです。これにより、私たちは競争から脱却したときに見えてくる風景を描いてくれます


次に、この本を読んで感動した点や、役に立った点を3項目紹介します。

  • この本を読んで、自分が無意識に客観性や数値化に頼りすぎていたことに気づきました。例えば、仕事の成果を数字で示そうとしたり、自分の価値を他人と比較したり、自分の感情や経験を無視したりしていました。この本は、そうした考え方の危険性や限界を教えてくれました。
  • この本を読んで、数値では拾いきれない人間の豊かさや多様性に目を向けるようになりました。例えば、障害者や貧困者などの社会的に弱い立場にある人たちの語りや経験に耳を傾けたり、自分の感情や経験を言葉にしたり、偶然やリズムといった時間の要素に注意したりしました。この本は、そうした経験の価値や意味を教えてくれました。
  • この本を読んで、客観性や数値化に囚われないで自分らしく生きるためのヒントや方法を学びました。例えば、現象学という哲学の方法を使って、経験の内側からものごとを見るようにしたり、競争から脱却して協力や共生を目指すようにしたりしました。この本は、そうした生き方の可能性やメリットを教えてくれました。

結論


この本は、私にとってたいへん示唆に富んだ一冊でした。客観性や数値化に囚われていた自分の考え方やモノの見方を見直すきっかけになりました。そして、数値では表現できない人間の豊かさや多様性に気づき、自分らしく生きるためのヒントや方法を学びました。


この本は、現代社会で真理とみなされている客観性や数値的エビデンスについて、その歴史的背景や社会的影響、そしてその限界や問題点を分かりやすく解説した一冊です。著者の村上靖彦さんは、現象学的な質的研究の専門家で、人間の経験や感情、価値観や文化などについて研究しています。この本では、村上さんの研究成果や体験も紹介されています。


この本は、数値化が当たり前になった現代社会に違和感を感じる人、客観性やエビデンスに頼りすぎて自分の感情や経験を無視してしまう人、数値では拾いきれない人間の豊かさや多様性に興味がある人におすすめです。この本を読んで、自分の考え方やモノの見方が変わり、自分らしく生きるための知識やスキル、考え方やモノの見方を学ぶことができます。

この本は、下記リンクで購入できます。もし、この本に興味があるなら、ぜひ読んでみてください。私はこの本を読んで大満足でした。あなたもきっとそう思うはずです。

以上が、「客観性の落とし穴」についての記事でした。この記事があなたの本選びの参考になれば幸いです。それでは、また次回お会いしましょう。