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『じぶん時間を生きる TRANSITION』で学んだ、新しい時間感覚と生き方のコツ

こんにちは。今回は、戦略デザイナーでありビジネス書作家でもある佐宗邦威さんの『じぶん時間を生きる TRANSITION』について紹介したいと思います。


この本は、著者が自身の移住体験をもとに、現代社会の病理や時間感覚の変化について深く考察した一冊です。著者はかつて「生産性の鬼」と呼ばれるほど効率至上主義に走っていましたが、都市の「成長ゲーム」に違和感を感じ、家族で軽井沢に拠点を移す決断をします。そこで起きたことは、自身の「時間感覚」の変化と人生そのもののトランジション(転換)でした。


この本を読むと、自分がどんな時間に価値を置いているか、どんな働き方や暮らし方が自分に合っているか、どうしたら「豊かさ」を感じられるかなど、自分自身と向き合う機会が得られます。また、トランジションのプロセスや「じぶん時間」へシフトするための具体的なアクションも紹介されています。

本の内容と感想

この本は全4章から構成されています。

第1章では、パンデミックがもたらしたグレートリセット」という現象について解説されています。グレートリセットとは、「一時停止した世界で」「住まい」「経済と働き方」「未来はどうなる」の4つの視点から自分の人生や社会について内省する機会になったということです。著者はこれらの視点から、「豊かさ」の定義や価値観が変わってきていることを指摘しています。


第2章では、「トランジション」という概念について説明されています。トランジションとは、「何かを変える必要がある」と感じた人が新しい自分に出会うために経験する3つの段階(終わらせる時期・ニュートラルな段階・再生期)です。著者は自身が軽井沢に移住した際に感じたトランジションの体験をもとに、各段階で必要な心構えや行動を紹介しています。


第3章では、「新世界」という言葉で表現される、トランジションを経た後の生き方について解説されています。著者は「仕事」「住まい」「食」「コミュニティ」「教育」の5つの視点から、自分の24時間のポートフォリオを書き換える方法を提案しています。例えば、「仕事」に関しては、働き方のポートフォリオを多様化することや、「売り込み」ではなく「発信」で仕事をつくることなどが紹介されています。


第4章では、「じぶん時間」という言葉で表現される、新しい時間感覚について説明されています。じぶん時間とは、内発的動機を頼りにする、「やりたい」に集中する、自分の直感に従う時間です。著者は東京から離れて気づいた、自分の参加していたラットレースや他人の目からの脱却について語っています。また、クロノス時間とカイロス時間という2種類の時間の捉え方や、時間をコントロールする感覚についても解説しています。


私はこの本を読んで、非常に感銘を受けました。特に以下の2点が印象的でした。


トランジションのプロセスが具体的に示されていること。

私もこれまで何度か人生の転機を迎えたことがありますが、その時に感じた不安や迷い、新しい自分への期待や希望などが、この本で分かりやすく説明されていました。特にニュートラルな段階(ニュートラルゾーン)という概念目から鱗でした。この段階では、方向は決めずに動きまくることや、不安を飼いならす方法などが紹介されています。

私も過去にこの段階を経験したことがありますが、当時はただ漠然とした不安や焦りを感じていました。しかし、この本を読んでみると、この段階は新しい自分に生まれ変わるために必要な過程だったと気づきました。この本があれば、もっと自信を持ってトランジションに挑戦できたかもしれません。


「じぶん時間」を生きることの重要性が伝わってくること。

私はこれまで「生産性」や「効率」を重視する生き方をしてきましたが、この本を読んでみると、それだけでは満足できないことに気づきました。著者は「タイムイズマネー」という考え方が本当かどうか疑問視しています。そして、「じぶん時間」を生きることで、「豊かさ」や「幸せ」を感じられることを説得力あるエピソードやデータで示しています。私も「じぶん時間」を意識して生きるようになってから、自分の好きなことや興味のあることに没頭する時間が増えました。その結果、自分自身の成長や発見が目に見えるようになってきました。

著者は「じぶん時間」を生きることで、自分の才能や可能性を引き出すことができると言っています。私もその通りだと感じています。自分の好きなことや興味のあることに時間を使うことで、自分のスキルや知識が増えたり、新しいアイデアやインスピレーションが湧いたりします。また、自分の直感に従って行動することで、自分にとって本当に大切なことや人に気づくことができます。この本を読んでから、私は自分の時間をもっと大切にするようになりました。


本文中で、私が特に参考になった文章を以下に紹介します。

トランジションは、人生の中で何度も起きるものです。そして、その度に自分は変わっていくのです。だから、トランジションを経験するたびに、自分がどんな人間なのか、どんな人生を送りたいのか、どんな価値観を持っているのかを見直す必要があります」(P.64)


「じぶん時間は、自分が何をしたいかではなく、何をしたくないかから始めることが大切です。何をしたくないかを明確にすることで、自分が本当にやりたいことが見えてきます。そして、そのやりたいことに集中することで、じぶん時間は生まれます」(P.188)


「じぶん時間を生きるためには、時間をコントロールする感覚が必要です。時間をコントロールする感覚とは、自分の時間を自分で決めることです。自分の時間を他人や社会に決められるのではなく、自分で決めることで、自分の時間に責任を持つことができます」(P.206)



『じぶん時間を生きる TRANSITION』は、現代社会で迷っている人や変化したい人におすすめの一冊です。この本を読むことで、自分の人生や社会について深く考える機会が得られます。また、トランジションやじぶん時間へシフトするための具体的なアクションも紹介されています。私はこの本を読んで、自分の時間感覚や生き方が変わりました。あなたもこの本を読んでみてください。きっとあなたにも素晴らしい変化が訪れるはずです。

この本は[amazon]や[楽天ブックス]などで購入できます。また、著者のインタビュー記事やnoteも参考になります。以下のリンクからご覧ください。

[インタビュー記事]
https://www.businessinsider.jp/post-273800
[note]
https://note.com/sasokunitake/

以上、『じぶん時間を生きる TRANSITION』について紹介しました。この記事があなたのお役に立てば幸いです。それではまた次回お会いしましょう。ありがとうございました。