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実録 心理カウンセリングを受けてみた その24 開始1ヵ月後のまとめ

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその24である。


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睡眠日誌を付け始めて30日が経過。ちょうど1ヶ月が経過したので、自分の日誌をよく見て分析し、総括してみた。

<目次>

1.不眠対策1ヵ月の振り返り

心理カウンセリングを受けて1ヵ月が経過した。不眠に対する認知行動療法の一環として睡眠日誌を付け始めて30日となった。次回の面談もまもなくあるので、経過状況についてまとめ、傾向を自分なりに把握しておきたいと思う。


【睡眠効率=寝床にいた時間の内、実際に眠れていた時間の割合】
4週間とも、85%前後で推移。当初より若干上昇したが大きな変化なし。


【睡眠時間】
当初より1時間減少(臥床時間は1時間30分削減)。入床時間を遅らせるのと比例して短くなっている。臥床時間を7時間に設定してから 13日が経過。その間の変化はあまり見られず。


【深い睡眠=活動量計で計測表示されるもの】
日によってのバラツキが大きいが1週間の平均値推移をみると徐々に増加。当初に比べて20%増加している。活動量計の精度は不明であるが、傾向値としては参考になる。


【起きていた時間=入眠までにかかった時間+途中に目覚めていた時間】
ほぼ横ばい。平均して、1時間前後は眠れていない。なお、主観的な時間と活動量計計測時間に乖離がある。主観的に、眠れていない時間を過大評価する傾向があるようだ。


【寝つきにかかる時間】
バラツキがあるが、大きく入眠できない日の存在により異なる。夕刻に大きなストレスを受けた日に感情を整理できずに寝つきが悪くなっていることがある。


【途中起きた回数、中途覚醒時間】
4週間の変化で、2.3回⇒2.1回⇒1.3回⇒1.1回と減少。
(1)日中のトイレ間隔を開けるようにして尿意に対して「鈍感」になるようにしたこと
(2)腹巻で下腹部を保温したことにより、効果が出た。中途覚醒時間も比例して減少した。


早朝覚醒時間】
ほぼ変わらず。活動量計では寝ているが自分では覚醒していると感じていることが多い。「眠状態誤認」「逆説性不眠」と言われる症状だと思う。このせいで、朝起きたときの睡眠に関する印象が悪く、起床後の体調、気分にも影響が出ていると思う。


【その他活動量計波形など】
健康な人の睡眠サイクルは深い眠りと浅い眠りがセットとなり、約90分のサイクルを何回か繰り返す。 活動量計の計測結果の波形を見る限り、自分はこのサイクルが安定せず、乱れがある。入眠直後の眠りが「浅い眠り」となっていたり、睡眠周期が不安定でかなり短い日もある。睡眠構成が標準的な日のほうが翌日の体調がよい。

2.30日間取り組んだうえでの全体的な感想

効果、手応えについては未だ道のり半ば感はあるが、睡眠制限法、刺激コントロール法に取り組んでよかったと考える。以前に比べ改善の兆しを感じている。
睡眠衛生教育として、この1ヵ月で睡眠について基礎知識を学ぶことができた。1ヵ月前にはレム睡眠、ノンレム睡眠という用語は知っていたが、それぞれ身体と脳とどちらを休ませているかなどを理解できていなかった。
またホメオスタシス調節により身体の復元力を活かし睡眠圧を上げることや、体内時計による調節 (1日単位の分と90分単位の分) が睡眠の質に影響を及ぼすことを新たに知ることになった。
今まで、熟睡感が得られないことに関して、漠然とした不安感、不満を持っていたが、睡眠にかかる知識を付けることで考えが整理された。次に何を試せばよいか、自分で仮説を立て実行に移すことができるようになった。試行錯誤はあるものの、具体的な対策を行動できていることは明らかな進歩だと感じる。

3.30日経過した時点での総括

睡眠制限法は当初はしんどいだろうと覚悟はしていたが、一般にきついと言われる2週目以降もしんどさが続く。体調のよい日もあるが、しんどい日はネガティブな感覚に捉われ、精神的にもハードな取り組みであり、思っていたよりつらいものだ。
今までだと、寝足りずにカラダがしんどく感じたら、平日であれば「いつもより早めに寝てカラダを休ませよう」、土日であれば「平日よりも1~2時間遅く起きることで、蓄積した疲れをリセットしよう」ということで睡眠時間を長くして対応していた。結局、これが睡眠を間延びさせ、リズムを崩してしまう「間違った習慣」であった。そのことは理屈では理解したが、「満ち足りるまで眠りたい」という欲求は思ったより根強いものだ。その本能的な欲求に抗して、決められた睡眠時間をキープするのはかなりの精神力がいると思う。 途中で何回も睡眠制限法を放棄しようと考えたが、「中期的に体を慣らして深い睡眠をとれるようになるのが目的だ」と自分に何度も言い聞かせて続けてきた

4. 自分の睡眠のウィークポイント(仮説)

活動量計の精度が不詳であり、推定に過ぎないが、「自然な睡眠を構成するカ」「本来備わっているはずの体の調節リズム」が弱っているようだ。睡眠周期がずいぶんと短い日や、入眠後直後の眠りが「浅い」日があり、重要とされる入眠後3時間の眠りの質が悪い日が散見される。
早朝に目が覚めてしまうことから、まだ睡眠が足りないと感じているのに、7時間睡眠を持続させる力も足りないようだ。あと、自分の睡眠に対しての印象を悪くしているのが「逆説性不眠」「睡眠状態誤認」で、主に早朝の睡眠については、割合長い時間、自分で半分以上起きてしまっていると主観的に感じている。起きた後も不眠感が続き、熟睡感を得られない一因ともなっている。

5.睡眠制限法で当初期待していたことと、現実のギャップ

睡眠制限法による睡眠の圧縮効果、すなわち熟睡感が得られることについて、もっと短期的な効果を獲得できると期待していた。現実は、入眠直後の深い眠り(徐波睡眠)が十分には構築されていないようであり、熟睡感が得られず、翌日もしんどい日がある。不眠原因がわりと根深く、根気強く試行錯誤を続けながらあきらめずに継続していくことが必要だと考える。自分の場合は、熟睡感が足りないと感じてから年月が長いので、自然な睡眠サイクルを構成できるように身体が習慣付くのに時間がかかるだろうと思われる。

6.今後の取組みについて

不眠の根底には心理的要因、特に不安感情が意識下に存在していることは確かだろう。しかし、不眠による体調不全が、不安や抑うつ感の原因となっていることもあり、原因と結果は一方向ではなく、相互に複雑に絡み合っているようだ。順序として、心理的、精神的な改善は、いったんは後追いで置いておいて、「行動習慣」で対策できることを優先して取り組もうと考える。


不眠は、そのことを過剰に考えること自体が不眠を増幅させる要因となる。睡眠についての基礎知識を正しく整理したら、後は淡々と行動習慣を変えていく。そして睡眠への変化を客観的に分析して、徐々に改善していくまで地道に続けるしかないと思う。試行錯誤しながらPDCAサイクルを回し続けていくことが大切なのだろう。

そのうち、十分に眠れるようになって、不眠対策には「飽き」がきて気にしなくなる日が来ることを願っている。そこまでいけば、「不眠克服」という段階に達したと言えるだろう。


(「実録心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)