読書体験から豊かな人生を

読書体験から、新たな人生価値を見つけましょう

実録 心理カウンセリングを受けてみた その4 認知療法とは

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその4である。

f:id:s_labo:20201010201339j:plain


前回記事で、カウンセリングの目標をどこに置くか、予定回数等が決まったことを書いた。そのあと、さっそく認知行動療法の中身についての話に移った。

<目次>

1.さっそくはじめましょう

前回記事でカウンセリングの目的、目標がおおまかに明らかになり、カウンセリング回数は私の要望で5回を目途にひとまとまりとしてほしいと伝えたことを書いた。先生からは、「普通は、第一回は、状況や悩み事を聞き出すことにほぼ費やすのですが、未だ時間もあることだし、さっそく中身に入っていきましょう」と提案があった。参考図書の2冊、認知療法の本と不眠克服の本を指し示して、「どっちから始めましょうか?」 と聞かれた。正直なところ、どちらでもよかったが、認知療法の本のカバーが緑色で目立っていたので直観的にそちらからと希望した。

2.具体例でイメージをつかむ

先生は、ファイルから1枚のワークシートを取り出した。著作権の関係もあるので、書式をそのまま、ここで紹介することはできないが、「状況(出来事)」に対して自分が「どういう考えを抱き、気分はどうなったか。それに対する行動や身体反応はどうだったか」ということがボックス形式で書き込めるような様式になっている。
このワークシートにより、認知療法の基本となる人間の認知とそれによって生じる反応(気分、行動など)の流れの理解を促すものと思われる。先生からは、「例えば、夜中に窓の外から不気味な音が聞こえてくる状況」で、どう考え、どう反応するかを聞かれた。
他にもう一つ事例を出しての質問があった。自分が遭遇する事象に対して、まず認知(その事象をどう受け止めるか、考えるか)があり、それにより、気分や行動が決定されるということが説明された。

3. 自分のケースにあてはめる

次は、ワークシートの空欄に自分の経験した事柄を記入して見ましょうということになった。私は例として状況を「上司が面倒くさい仕事を「丸投げ」的に投げてきた。」として記入した。それに対する認知(考え)として、「面倒くさい。以前も同じパターンで丸投げしてきて、しんどい思いをした。またかよ」と書いた。そして生じる気分として、「うんざり。嫌だ。しんどい。失望。あきらめ。」などを書いた。
記入している間も、先生と書き方について質問と応答のやりとりがあった。

なお、ワークシートの下の方には「現在困っていること」「問題点の見極め」「目標の設定」欄があり、先生と話しながら、以下のように記入した。

「現在困っていること」
・ストレスが蓄積し、疲労感から体調が悪くなり、何をするのもしんどいと感じてしまう。
・仕事についての悩み、考えを家に帰ってからも持ち越してしまう。昼間の悩みを夜まで引きづる。

「問題点の見極め」
・布団に入ってからは仕事のことや将来の不安のことなどを考えないようにする。考えても、物事の解決に役立っていない(翌日のパフォーマンスが落ちてマイナスなだけ)
中途覚醒時にふと気づくと仕事のことを考えてしまっている (パソコンのビジー状態のような感じ(ボタンを押しているのは自分だと気付く))

「目標の設定」
・仕事の悩み、考えを夜に持ち越さないようにする。⇒睡眠の質確保。たとえ、頭に浮かびあがっても取り合わないように習慣づける。
・仕事上での無理な依頼に対しては、「困っている理由」を冷静にアサーティブ(適切な自己主張)に意見を言えるようにする(無言で引き受けると、特に困っていないとみなされる)。


(「実録 心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)