読書体験から豊かな人生を

読書体験から、新たな人生価値を見つけましょう

実録 心理カウンセリングを受けてみた その9 家族の理解と協力を得る

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその9である。

f:id:s_labo:20201019201236j:plain


前回記事で、問題解決の第一歩として、睡眠日誌をつけようとしたところまでを書いた。今回は、いざ取組みを実行に移すにあたって家族の理解と協力を得たことを記事にする。

<目次>

1.先ずは睡眠日誌をつけることから

前回記事で、自分の睡眠状況を把握するために睡眠日誌をつけようとしたところまでを書いた。
毎朝、起きた後に床に入った時間と実際に眠れた時間をメモして表に記入していくだけだ。至極、簡単なことである。しかし、なぜかその時の私にとっては気が重かった。自分のためのことなのに「めんどうだな」と感じたのである。
これは「うつ状態」特有のことで、何でもない簡単なことであっても、しんどく感じてしまう。特に自身のこと、自分に向き合うようなことに対して、妙に二の足を踏んでしまうのである。心が健康な人にはニュアンスが伝わりにくいと思う。
私自身、これを書いている時点では、その時の自分に対して「時間の記録くらいさっさとやれよ」と言いたいところである。
この点がうつ状態」の辛さ、不可解さであって、健常な状態であれば何ともないことが、重しがかかるようにできなくなっていくのである。また、このことが本人にとっては焦り、劣等感となり、ますますネガティブな気分となりがちである。

2.一人で抱えるのが辛いので誰かに話す

このように「うつ回路」にはまってしまうと、ネガティブ思考で身動きが取れなくなってしまう。そうなると、結構短い時間でマイナス方向のブラックホールに吸い込まれていく。視界が真っ暗にならないうちに、抜け出さなければいけない。

「うつ回路」脱出のとりあえずの手段は「誰かに話す」ということだと思う。家族でもいいし、家族がダメなら生命保険に加入していれば、サービスで付いている健康サポートフリーダイアルでもいい。どこかに打ち明ける相談先を持っておくべきだ。
健康な人でも、仕事や生活上で困ったことが重なっておきると、心の調子を悪くすると短い間で「うつ回路」にはまってしまうこともある。そのため、元気なうちに、いざとなったら相談できる窓口を複数調べておいた万がよい。勤めている会社で契約している相談窓口がある場合もあるし、住んでいる市町村で設けられている相談窓口もある。離れて暮らす家族なども、いざとなった場合は話し相手として力になってくれるかもしれない。

健康な時は、「まさか」と思うのだが、元気なうちにそういった相談窓口を探しておいて、手帳などにメモしておくことが望ましい。

3.妻に打ち明けて相談してみた

さて、私のことであるが、ある金曜日の夜、1週間溜まったストレスがあったのか、夜中に目が覚めてしまった。その後、仕事上の人間関係についての考え事が頭の中に沸き起こって眠れなくなってしまった。そのまま、朝を迎えることになったのだが、そのときの気分は大変、つらかった。
昼間に考えるとそれほどたいしたことに思えなくても、夜中に寝床で「眠れない」と思いながら悩みを増幅してしまうと、とてもネガティブな気分になってしまうものだ。 土曜日の朝から、楽しくない話題を妻に話すのは気が引けた。家族であっても心の悩みについては、話しにくい気持ちもあったので、手紙に書いて伝えようかとも考えた。しかし、手紙を書くのもしんどい状態であったこと、健康と生活にかかわる重要なことだと思ったので 不眠の悩みを話してみた





(「実録心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)

実録 心理カウンセリングを受けてみた その8 睡眠日誌をつけてみる

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその8である。

f:id:s_labo:20201018103453j:plain


前回記事で、現状の問題を再整理して、それにどう取り組むかの道筋を考えてみた。今回は、問題解決の第一歩として、睡眠日誌をつけることにしたことを記事にする。


<目次>

1.「不眠克服」に取り組んでみよう

現在、感じている「熟睡感がなく、疲れが残る」ということについて、睡眠薬の力を借りずに自力で何とかしたい。睡眠にかかる行動療法を自分で試していこうと思った。
「自分でできる「不眠克服」ワークブック」には、やるべきポイントが的確にわかりやすく解説されている。
著者によると8週間にわたるトライアルでだいぶよくなるとのこと。ワークブックに は第1週目から4週目での取り組みが章に分けて、丁寧に解説されている。5週目以降は、4週目までにやったことを見直しながら取り組んでいけばいいいとのこと。
ところどころに挿入されているイラストが、かわいい感じで親しみやすさを覚える本である。まずは、このワークブック通りに、進めてみようと思う。


2.第一週目は睡眠日誌をつけること

ワークブックでは、簡単な睡眠環境に関するチェックポイントが紹介されており、次に第1週目に取り組むことが解説されている。
はじめは、自分の睡眠状況を記録して把握することが奨められている。ベッドに入った時間、起床してベッドから出た時間を記録する。この間、ベッドで横たわっていた時間を「総臥床時間」と呼ぶ。 その内、床に入ってから寝付くまでにかかった時間と、途中目覚めてしまっていた時間を書く。その時間は自分の感覚でおおよその数値を書けばよいとのこと。上記の「総臥床時間」から「寝付くまでにかかった時間」と「途中目覚めていた時間」を引くと、実質的に眠っていた時間がわかり、それを「総睡眠時間」と呼ぶ。
「総睡眠時間」を「総臥床時間」で割れば、ベッドで横になっていた時間の内、睡眠できた 時間の割合がわかり、それを「睡眠効率」と呼ぶ。

3.睡眠効率を高めて眠りの質を上げていく

この睡眠効率を計画的に高めていく取組みにより、眠りの質を上げていく作戦である。 先ずは、第1週は現在の睡眠状況を日誌に記録して、平均的な「睡眠効率」を把握する。第2週目以降は、この「睡眠効率」を向上させるための具体的な行動等に取り組んでいくことになる。
だいたい不眠に悩んでいる人は、「もっとしっかり眠らなければ」と焦りにも似た気持ちを持っているものだ。そのため、早めに布団に入って横になり、できるだけ十分な睡眠時間を確保しようと真面目に考えてしまう。
しかし、横になっている時間が長い割に、実際に眠れている時間はそれより少なく、上記で言う「睡眠効率」は落ちていく。「眠りの質」が薄まっていくと表現すればよいのだろうか。 睡眠日誌をつけることによって、現時点での「眠りの質の薄まり具合」をまず把握しようというのが、このワークブックの第1週での課題となっている。




(「実録 心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)

実録 心理カウンセリングを受けてみた その7 現状の問題を再整理

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその7である。

f:id:s_labo:20201018102530j:plain


前回記事で、1ヵ月後の次回面談に向けて何をしていくかを考え、「不眠克服」ワークブックを実習していこうと決めたことを書いた。今回は、現状の問題を再整理して、それにどう取り組むかの道筋を書いてみたい。


<目次>

1.カウンセリングに行った事情とは

そもそも、心理カウンセリングを受けるということは、それほど一般的なことではなく、ある程度、自分の中で精神衛生上の問題を感じ、切実なこととして認識していたということである。
ふらりとショッピングセンターに行ったり、本屋に寄ったりというカジュアルな動機に基づく何気ない行動とは違い、それなりに切羽詰まった事情があったということだ。
自分の場合、その「切実な問題」は具体的に言うと何なのだろう。あまりに漠として、範囲が曖昧なままより、一番困っていること、悩んでいることを取り上げて、そのことにスポットライトを当てて具体的に解決していく。一つの物事が改善に向かえば、その関連の物事も解きほぐされ、対処しやすくなるだろう。

2.現状の問題の再整理

自分にとって、今一番切実に感じている問題は何だろうか。
日中、しんどくて前向きな気持ちになれない、元気さがないという点だと思う。それは夜間、ぐっすり眠れない、熟睡感が得られないことから増幅している。
そして、夜間にしっかり眠れない理由は、日中の心配事を夜まで引きづってしまうこと。夜中に目が覚めたときに、心配事が浮かび上がり消えなくなるからだ。
熟睡感が得られないと、疲れ、しんどさが日中に持ち越してしまう。それにより、悲観的、ネガティブな思考傾向に陥ってしまい、また夜になると、心配事が頭の片隅に張り付いてしまう。
まさに悪循環のパターンが出来上がってしまっている。何とか、この循環を断ち切りたいものである。

3.最初に手を付けるところ

熟睡感不足でカラダがしんどいと、問題解決に向けた基礎体力も不足し、ものごとを悲観的に考えてしまう。まずは、ぐっすり眠ることが先決である。人によっては、精神科に行き、睡眠薬を処方してもらい、薬の力を借りて基礎体力を確保するというやり方もあるだろう。しかし、私は脳や神経に作用する薬を服用するのに抵抗があるので、「不眠克服」ワークブックに紹介されている行動療法に取り組んでみる。
今は、しんどくて時折ネガティブな考えにとらわれることもあるが、立ち上がれないといった本当に切羽詰まった状況までには追い詰められていない。一度、行動療法という薬を使わない方法を試してみて、うまくいかなかったら、精神科を受診して睡眠薬を処方してもらえばいいと思う。だから、「不眠克服」ワークブックに書かれている方法を、忠実に愚直にやってみようという気になった。悩み事解決にはこういった「決心」と「行動」への第一歩が大切に違いない。



(「実録 心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)

実録 心理カウンセリングを受けてみた その6 次回までの取組み

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその6である。

f:id:s_labo:20201016102117j:plain


前回記事で、面談が無事終了して、自宅に帰ったところまでを書いた。今回は1ヵ月後の次回面談に向けて何をしていくかということについて書く。


<目次>

1.何から手をつけたらいいのやら

カウンセリングが1回終了したものの、仕事も忙しく、悩んだ心の内が整理された感じにはならず、いわば混沌とした状態で渦巻いているような状態である。喩えていうと、震災の後、部屋の中が大変混乱してモノが散乱しているが、どこから手をつけていけばよいのかと溜め息をついている状態のようだ。

薦められた参考書を2冊買ったので、まずは、それを読むことにする。2冊ともワークブック形式なので、ページ数も少なく読みやすい。1週間かけて2冊ともざっくり読むことができた。

2.ワークブックの内容を実際にやってみよう

2冊の本とも、ワークブック形式のシート書式が載っていて、コピーを取って書き込むことで実際的に取り組めるように工夫されている。こういったワーク方式の本は、実際に取り組んでみて、効果があらわれる。筋トレの書籍を何冊読もうと、実際に筋トレを実施しないと、筋力は増していかないのと同じだ。
何か「面倒くさそう、しんどそう」と感じてしまうが、今回はせっかくカウンセリングを受けプロの助言も得られる機会でもあるので、しっかり取り組んでみたいと思う。ただ、必要以上に頑張ってしまうと、負担感から心の疲れになるので、興味を持って取り組めるところからやっていこうと思った。

3.まずは「不眠」克服の方からやってみる

2冊の本、1冊は「認知療法」、もう1冊は「不眠克服のための行動療法」についてのワークブックだ。 認知療法の方(「こころが晴れるノート」)は、物事の捉え方、考え方を見直して、気分に影響する仕組みを自分の実際の出来事にあてはめて、理解していくという道筋をたどる。いわば、「理屈」の世界を紙に書き出していくという手順だ。

一方、「自分でできる「不眠」克服ワークブック」の方は、自分の眠りに関する記録を日誌として残す。 一定期間の傾向を眺めて、良い睡眠をとるための方法を考え、行動を変容していく
どちらも現在の自分には「面倒くさく、しんどい」印象も受ける。しかし、現時点で、日常のしんどさみたいなもので悩んでいることは切実な問題で、何とか抜け出したいという気持ちが強い。なので、まずは、具体的な行動変容を試してみる「「不眠」克服ワークブック」の方を先にやってみようと考えた具体的に動いてみれば、いいにしろ、悪いにしろ具体的な答えが出るだろう。何もやらないままに、ずるずると悪い方向に傾いていくのは、どうにも嫌だと思っているので、一歩踏み出すことにした。




(「実録 心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)

実録 心理カウンセリングを受けてみた その5  初回のクロージング

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその5である。

f:id:s_labo:20201016100409j:plain


前回記事で、認知行動療法の中身の話に入ったことを書いた。今回は、初回面談のクロージングについて書きたい。


<目次>

1.あっという間に時間が経過

認知行動療法の中身の話も入り、初回から、かなり中身の濃い面談となった。かなり駆け足で話が進んだ印象であったが、面談開始から約50分程度が経過した。先生から、「そろそろ時間ですね」と言われた。
その後、カウンセリングについての一般的事項の説明があった。プライバシーは厳守されること、相談者の権利が尊重されることなど、を「立て板に水」的な口調で説明された。不動産取引での「重要事項説明」を読み上げる感じと同じようなものである。予約変更・キャンセルについての決まりなど事務的事項も説明を受けた。

2.次回面談の予約

次回面談の予約の話となった。先生によると「次回までの間隔などは、相談者側の自由」とのこと。毎週来てもよいし、期間を空けてもよい。
一瞬迷ったが、私は全5回とすること、自宅学習も交えながら進めることを考えて、「1ヵ月後」に予約を取った。そのペースだと期間にして約4ヵ月。丁度よいくらいの長さかと思う。

最後に先生から、「最後に何か言っておくことはありますか。」と。
「この質問は皆さんに必ずしています。大抵は『特にありません』で終わりますが」と言われた。今回は、私も「特にありません」と回答した。何か言いたかったけど面談の流れの中で言えなかった、ということがあった場合への配慮だと思う。

3.事務所を出てからの足取り

面談用の椅子から立ち上がり、事務所を見わたすと、あらためて普通の居住用のワンルームマンションなのだなあと再度認識した。先生に見送られ、事務所を出ると、喉がすごく乾いていることに気付いた。普段より、よく喋ったこと、後、自覚していないがそれなりに緊張していたのだなあと感じた。
それ以外は、特段の感慨もなくターミナル駅へと向かった。駅ビルに入っている本屋さんで今日紹介された本を探した。 2冊ともあって、パラパラめくると読みやすくワークブック形式で実践しながら進めるのに 役立ちそうなので、さっそく買って帰った。 自宅について、どっと疲れが出た、ということもなかったので安心した。




(「実録心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)

実録 心理カウンセリングを受けてみた その4 認知療法とは

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその4である。

f:id:s_labo:20201010201339j:plain


前回記事で、カウンセリングの目標をどこに置くか、予定回数等が決まったことを書いた。そのあと、さっそく認知行動療法の中身についての話に移った。

<目次>

1.さっそくはじめましょう

前回記事でカウンセリングの目的、目標がおおまかに明らかになり、カウンセリング回数は私の要望で5回を目途にひとまとまりとしてほしいと伝えたことを書いた。先生からは、「普通は、第一回は、状況や悩み事を聞き出すことにほぼ費やすのですが、未だ時間もあることだし、さっそく中身に入っていきましょう」と提案があった。参考図書の2冊、認知療法の本と不眠克服の本を指し示して、「どっちから始めましょうか?」 と聞かれた。正直なところ、どちらでもよかったが、認知療法の本のカバーが緑色で目立っていたので直観的にそちらからと希望した。

2.具体例でイメージをつかむ

先生は、ファイルから1枚のワークシートを取り出した。著作権の関係もあるので、書式をそのまま、ここで紹介することはできないが、「状況(出来事)」に対して自分が「どういう考えを抱き、気分はどうなったか。それに対する行動や身体反応はどうだったか」ということがボックス形式で書き込めるような様式になっている。
このワークシートにより、認知療法の基本となる人間の認知とそれによって生じる反応(気分、行動など)の流れの理解を促すものと思われる。先生からは、「例えば、夜中に窓の外から不気味な音が聞こえてくる状況」で、どう考え、どう反応するかを聞かれた。
他にもう一つ事例を出しての質問があった。自分が遭遇する事象に対して、まず認知(その事象をどう受け止めるか、考えるか)があり、それにより、気分や行動が決定されるということが説明された。

3. 自分のケースにあてはめる

次は、ワークシートの空欄に自分の経験した事柄を記入して見ましょうということになった。私は例として状況を「上司が面倒くさい仕事を「丸投げ」的に投げてきた。」として記入した。それに対する認知(考え)として、「面倒くさい。以前も同じパターンで丸投げしてきて、しんどい思いをした。またかよ」と書いた。そして生じる気分として、「うんざり。嫌だ。しんどい。失望。あきらめ。」などを書いた。
記入している間も、先生と書き方について質問と応答のやりとりがあった。

なお、ワークシートの下の方には「現在困っていること」「問題点の見極め」「目標の設定」欄があり、先生と話しながら、以下のように記入した。

「現在困っていること」
・ストレスが蓄積し、疲労感から体調が悪くなり、何をするのもしんどいと感じてしまう。
・仕事についての悩み、考えを家に帰ってからも持ち越してしまう。昼間の悩みを夜まで引きづる。

「問題点の見極め」
・布団に入ってからは仕事のことや将来の不安のことなどを考えないようにする。考えても、物事の解決に役立っていない(翌日のパフォーマンスが落ちてマイナスなだけ)
中途覚醒時にふと気づくと仕事のことを考えてしまっている (パソコンのビジー状態のような感じ(ボタンを押しているのは自分だと気付く))

「目標の設定」
・仕事の悩み、考えを夜に持ち越さないようにする。⇒睡眠の質確保。たとえ、頭に浮かびあがっても取り合わないように習慣づける。
・仕事上での無理な依頼に対しては、「困っている理由」を冷静にアサーティブ(適切な自己主張)に意見を言えるようにする(無言で引き受けると、特に困っていないとみなされる)。


(「実録 心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)

実録 心理カウンセリングを受けてみた その3 目標をどこにおくか

前回記事に引き続き、心理カウンセリングの実体験レポートその3である。

f:id:s_labo:20201010200131j:plain


前回は面談開始以降の内容であった。今回はその中で、「今回のカウンセリングの目標をどこにおくか」といった話題についてであり、第一回面談の核心となる部分のレポートである。

<目次>

1.カウンセリングの目標をどこに置くか

前回記事の通り、現在の環境や体調など、共通的な問診がなされた。経過時間は20分から30分程度であろうか。カウンセラーの先生からは「顔色、話し方から察するに、差し迫っての「うつ」等の心配はなさそうなので、「うつ」診断テストは割愛します」と言われ、私も同意した。
次に、今回のカウンセリングの目標をどこに置くかということを議論した。自分の悩みの焦点となることの見極め、今後、自分がどうなっていきたいかという希望について現時点で明らかにしておくことだ。事前にある程度、目標めいたことは考えていたので、先生と話す中で次のような項目があがってきた。

2.目標としたことの洗い出し

今回の自分の希望は以下のようなもの。

・50代に入ったので、自身の価値観の見直しをしたい。
・自分でストレスにうまく対処できるようにしたい。セルフマネジメントを学びたい。
夜中に目が覚めて心配事を考えてしまうパターンを直したい。熟睡感が得られれば疲れも軽減するはず。

自分の問題点(困っていること)を把握し、それを解決していく。カウンセラーの先生は、助言と後押しをしてくれる存在である。

先生からは「認知療法を学ぶことと、「不眠」対策をすること」の2本立てでどうかとの提案がされる。 認知療法については、私は、新書程度の読書をしており、基礎知識は持っていますと回答し、今回のカウンセリングで実践したい旨、要望した。

3.カウンセリング回数について

次にカウンセリングの回数についての相談に移った。 先生からは「認知療法を一通り行うには10回程度、それ以上の回数が通常は必要」とのお話があった。私からは「カウンセリングにかける予算、時間の都合上、5回を考えている。5回で完結するよう予定を組んで欲しい」と要望した。
先生からは「それでは、参考書籍も紹介するので、自習も交えながら、駆け足ですが5回でいったん区切りをつけるよう進めていきましょう」旨、お話があった。書籍による自習、課題のホームワークなどは、自分でも取り組みたいと思っていたので、5 回の予定で進めていただくようお願いした。 先生は、戸棚から以下の2冊の本を取り出し見せてくれた。


(「実録心理カウンセリングを受けてみた」シリーズ、次回に続く)